本編からの脱線ばかりで申し訳ないが、今回も少し余談を・・・。
お盆休み中、日本列島を震撼させる猟奇事件が起こった。
大阪府高槻市の物流会社 駐車場で8月13日(木)夜、顔や手を粘着テープでぐるぐる巻きにされた少女とみられる遺体 が見つかった事件である。
因みに、高槻市は私の住んでいる茨木市に隣接する市である・・・。
当初、中々、身元が判明しなかったが、5日後の18日(火)、寝屋川市の中学1年生の女子だということが判った。
(新聞・TVで名前も出ているが、敢えて、名前は出さない・・・。)
また、寝屋川市は、以前、住んでいた場所であり、現在も大阪事務所を構えている場所である。
猟奇的な犯人に対して、テレビ局各社は、事件発覚後から、色んな分野の専門家を呼んで、犯人像のあぶりだしを行いだした。
犯罪精神病理学者、臨床心理士、社会心理学者、弁護士、警視庁OB、府警OB、某県警OB、etc・・・。
・欲求不満な社会人の男達(複数説)・・・?
・弱い相手がおびえることで自尊心を満たす素行不良の人間・・・?
・10代の少年グループによるもの・・・?
様々な憶測を語る知識人(?)たち・・・。
プロファイラーを気取っているのだろうか・・・?
私は、住まいも職場も身近ということもあり、ニュース等を気にしていたのだが、これらより非道いのは、ネットでの犯人捜しである。
★被害者の母親説・・・。
★一緒にいた不明男児説・・・。
★一緒にいた不明男児の母親説・・・。
これらのニュースソースを見ると、ある意味、吐き気を催してしまう。
全く見ず知らずの家庭を、さも自身が知っているかの如く、書き立てている・・・。
一部では、報道各社は、今年2月に起こった『川崎市中1男子生徒殺害事件』をなぞらえる筋書きを追っていたという話も漏れている・・・。
理由は、視聴率が取れたから・・・?
そして、8月21日、急転直下、容疑者が逮捕された。
寝屋川市香里新町に住む45歳の男だった・・・。
私は、何気なく、テレビ見ていたのだが、何やら見慣れた光景が・・・。
大阪事務所のある道路を挟んだ真向かいのマンションなのだ・・・。
翌22日、所用があって事務所に行くと、帯ただしい数の取材陣が・・・。
一緒に付いてきていた末娘のオヤツが無かったので、近くのスーパーに手を引いて買いに行っていたら、取材陣から声を掛けられた。
私は、普段から、何らかの事件が起きた時に、取材陣に向かってぺらぺらと喋る近隣住民や街頭インタビューに答える人間を不愉快に思っていた方なので・・・。
「二人も人命が奪われて、私も子を持つ親なので、ご遺族のことを考えると、安易な回答は出来ません。」と丁重にお断りさせていただいた。
すると、テレビで見たことのあるキャスターが、「カメラは回しませんので、容疑者のことに関してお聞かせ下さい。」と言われた。
気が進まないので、先を急ごうとすると、「容疑者が、この周辺で子供達を追いかけ回していたという話を聞かれていませんか?」と聞かれた。
「いいえ。」と回答すると、「噂レベルでも構わないんですが・・・。」と再度質問してくる。
不愉快な顔をして、「いいえ。」と回答すると、ようやく、有り難うございましたと引き下がってくれた。
私が、不愉快になったのは、“噂レベル”を報道に上げる姿勢に怒りを覚えたからである。
先にあげた『川崎市中1男子生徒殺害事件』では、容疑者逮捕前から、ネットで、容疑者として名前も顔写真も晒されていた。
更に、その友人の事件には関係なかった人までも、名前と写真が晒されている。
そして、その書き込みは、今現在も、残ったままである。
今回の事件に関しても、被害者家族のプライバシーは晒されたままである・・・。
勿論、メディアには「報道の自由」があるし・・・。
一般人にも、「言論の自由」があるわけだが・・・。
古くから言われている言葉だが、“日本人の良心”はどこに行ったのだろうか・・・?
最後に、報道各社が、香里新町を、「京阪香里園(こうりえん)駅前にあり、付近はスナックやキャバクラなどが立ち並ぶ歓楽街件で夜遅くまで人通りが絶えない。」と報道し、如何にもいかがわしさを漂わせているが、スナック・キャバクラは数軒あるが、立ち並ぶほどの場所ではない。
どちらかと言えば、駅前の商店街と住宅街が隣接した地域という表現が適切である・・・。