「真実の口」1,944 新型コロナウィルス・・・433

前回の続き・・・。

『第 8 波』が目の前に来ている。

国内でこの夏猛威を振るった『第 7 波』の感染拡大を引き起こしたのは、オミクロン株の‟ BA.5 ”だった。

‟ BA.5 ”は、いまでも世界中で最も多い状態が続いているが、徐々に割合が減少してきているようだ。

特にアメリカでは、 CDC (=疾病対策センター)によると、‟ BA.5 ”は、 8 月 20 日までの 1 週間では 86.5% だったのが、 10 月 29 日までの 1 週間では 49.6% と半数を下回ってきている。

それと入れ代わるように各国で増えているのが、いずれもオミクロン株に変異が加わっている、‟ BQ.1 ”‟ BQ.1.1 ”‟ XBB ”だ。

専門家はどう見ているのだろうか?

東京医科大学・濱田篤郎特任教授

「今後、どれが主流になるのか、今の段階では見通せないが、登場しているさまざまな変異ウィルスはヒトの細胞と結びつく力はこれまでと変わらない一方で、ヒトの免疫から逃れる力が強くなっているようだ。大切なのは、免疫から逃避するのかどうか、感染力が強いかどうか、病原性が高いかどうかといった点で、新しい変異ウィルスが検出されたとしても冷静に見ていく必要がある。」

これらは変異ウィルスなのか?

アメリカでは、 10 月 29 日までの 1 週間で、‟ BQ.1 ”が 14%、‟ BQ.1.1 ”が 13.1%、‟ BA.4 ”から派生した‟ BA.4.6 ”が 9.6%、‟ BA.5 ”から派生した‟ BF.7 ”が7.5%などとなっているそうだ。

なんだかオミクロンの変異株が仲良く増えている気がするが・・・(笑)

徐々に増えてきた‟ BQ.1 ”は、オミクロン株の‟ BA.5 ”に、ウィルスが人の細胞に感染する際の足がかりになる「スパイクたんぱく質」の部分に、‟ K444T ”という変異などが加わっている。

また、この‟ BQ.1 ”に、さらに‟ R346T ”というスパイクたんぱく質の変異が加わったのが‟ BQ.1.1 ”である。

これらは、中和抗体が効きにくく、免疫から逃れる「免疫逃避」の可能性が指摘されていて、アメリカやイギリスでは 8 月以降報告が多くなってきている。

WHO によると、‟ BQ.1 ”‟ BQ.1.1 ”は、 10 月上旬の段階で 65 ケ国で報告されている。

イギリスの保健当局の資料によると、ウィルスの遺伝子配列を登録する国際的なウェブサイト「 GISAID 」では、初めて報告された 2022 年 9 月以降、‟ BQ.1 ”は毎週 75% 増加し、‟ BQ.1.1 ”は毎週 90% 以上増加しているとしている。

一方、 WHO の専門家グループは、これまでのオミクロン株と比べて、感染者に占める割合が増える傾向にあり、免疫から逃れる能力が高い可能性がある一方、実際に、感染した場合の重症化リスクが高まったり、「免疫逃避」が起きたりしたことを示すデータはないとしている。

また、一般的にウィルスが免疫から逃れる能力が高いと、ワクチン接種後の感染や、再感染のリスクが高くなるが、現時点ではさらなる調査が必要だとしている。

WHO は、従来型のワクチンやオミクロン株に対応した成分を含むワクチンで、感染を防ぐ効果は下がる可能性があるものの、重症化を防ぐ効果に大きな影響はないと見られるとしている。

シンガポールやインドなどで増えている‟ XBB ”は、‟ BA.2 ”から派生した変異ウィルス ‟ BJ.1 ”‟ BA.2.75 ”から派生した変異ウィルス‟ BM.1.1.1 ”が組み合わさった「組み換え体」と呼ばれるタイプのウィルスである。

WHO によると、 10 月下旬の段階で 35 ケ国で報告されている。

新型コロナウィルスは世界中で広がる中で変化を繰り返していて、 1 人の人が複数のタイプに感染することで遺伝子の組み換えが起き、複数のウィルスの特徴を持った「組み換え体」と呼ばれるタイプの新たな変異ウィルスができることがある。

‟ XBB ”もそのようなタイプの変異ウィルスで、スパイクたんぱく質の部分に‟ R346T ”‟ N460K ”などの変異が加わり、中和抗体が効きにくく、免疫から逃れる「免疫逃避」の性質がある可能性が指摘されている。

シンガポール保健省によると、 10 月 9 日までの 1 週間で‟ XBB ”は 54% を占め、前の週の 22% から増えて主流になってきている。

さらに、 10 月中旬には、再感染する人が新規感染者数の 17% を占めるなど、再感染が増えていて‟ XBB ”の感染力が高いことが影響しているという見方があるとしているようだ。

ただ、感染者数が増えるとともに入院者数も増えてきた一方で、重症者数は、感染者数や入院者数ほどは増えず、現時点では、重症化リスクが高まっているという証拠はないとしている。

WHO の専門家グループは‟ XBB ”について、感染力の高さが指摘されているものの、これまでのオミクロン株に比べて免疫から逃れる能力や重症化率が高いとは言えないとしてる。

また、再感染も、オミクロン株より前の新型コロナウィルスに感染した人に限られ、これまでのオミクロン株によって得られた免疫を逃れるとする証拠はないとしているようだ。

オミクロン株の新たな変異ウィルスが次々に登場する状況が続いている中で、 WHO は 10 月 26 日の週報の中で、オミクロン株の変異で興味深い現象が見られることを指摘している。

新たな変異ウィルスは別々の場所や異なる時期に現れたにもかかわらず、共通する変異があるという。

これは「収斂(しゅうれん)進化」という現象で、本来異なる生物が別々に進化してきたにもかかわらず、共通の特徴を持つように至るというものらしい。

例えば、「タラバガニ」はヤドカリの仲間なのに環境に適応して進化し、「カニ」と同様のハサミなどの特徴を持つに至ったのだが「収斂進化」の典型例とされている。

新型コロナウィルスの場合は、異なる系統から別々に変異を重ねてきたにもかかわらず、新たに出現してきた変異ウィルスでは共通の部分が変異しているというのだ。

WHO は、共通の変異は、ウィルスがヒトに適応するのに必要とみられる部分に起きているとしている。

そして、さらに変異が加わる可能性があるともしている。

WHO の指摘から考えると、我々人類がワクチンを打つことによって、変異を容易にしているような気がしてならないのは私だけだろうか?

国内に目を向けてみると・・・。

東京都が示した 10 月 27 日正午時点のデータでは、東京都内では 10 月の‟ BA.5 ”の割合は 94.3% だった。

圧倒的に多い状況は変わらないのだが、 8 月は 98% 、 9 月は 98.5% だったので減少傾向にあるのは間違いないようだ。

‟ BA.5 ”の次に多いのは‟ BA.2.75 ”‟ BF.7 ”で、いずれも 1% 台でしかない。

また、‟ XBB ”は東京都で 9 月に 1 件、 10 月に 5 件報告されているほか、鹿児島県などでも報告された。

‟ BQ.1.1 ”も 11 月に入って栃木県などで報告されている。

国立感染症研究所は、‟ XBB ”‟ BQ.1.1 ”が重症化につながっている証拠はないとしつつも、免疫を逃避する能力があると指摘する研究もあるとして、引き続き監視を続ける考えを示しています。

現在、国内では 1 週間平均の感染者数が 10 月 11 日におよそ 25,688.29 人となったあと、徐々に増加し、 11 月 17 日の時点ではおよそ 72,488 人となっている。

前述の濱田特任教授は

「いま感染者数が増えているのは、『第 7 波』で主流だった‟ BA.5 ”が完全には消えなかったところに、 10月に入ってさまざまな緩和が進み、『残り火』から再燃している状態だと考えられる。この場合、マスクの着用といった予防対策を取れば抑え込むことはできるだろう。ただ、‟ BQ.1 系統”が入り込んでくると、‟ BA.5 ”よりも免疫を回避しやすいとされ、感染やワクチン接種をしていても再感染しやすいので、冬に流行すると感染者数が増える可能性がある。いまはオミクロン株対応のワクチンを接種できるので、接種してほしい。‟ BA.5 ”‟ BQ.1 ” ‟ XBB ”もいずれもオミクロン株なので、オミクロン株対応のワクチンを接種することで、予防効果が期待できるし、この冬の健康被害を減らすことにつながると思う。」と話している。

結局、ワクチン頼みでしかないのか・・・┐(´д`)┌ヤレヤレ

次回へ・・・。