「真実の口」2,019 新型コロナウィルス・・・501

前回の続き・・・。

コロナによる後遺症に関しては幾度となく取り上げてきた。

最近、「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群( ME/CFS )」という疾患が増加傾向にあるという。

強い疲労感や、胃腸不全、筋肉痛、頭痛、集中力の低下をはじめとする認知機能の問題といった症状が見られる慢性疾患らしい。

ウィルス感染症にかかった後に発症することが多いいらしいが、仕組みがまだよくわかっていないため、治療法も確立されていないという。

コロナの後遺症にもあてはまる。

これらの疾患に、腸内の「マイクロバイオーム(微生物叢):ある環境中に共生する微生物のまとまり」が大きく関わっていることを示唆する研究が増えているそうだ。

新型コロナウィルスのパンデミック以前のアメリカでは、最大で 250 万人が ME/CFS に苦しんでいると推定されていた。

しかし、コロナ以降、その数が急増しているそうだ。

新型コロナウィルス感染後も長引く症状には、 ME/CFS の診断基準に当てはまる場合が多いかららしい。

米政府監査院( GAO )の推定によると、米国では現在 770 万~ 2,300 万人が新型コロナ後遺症に苦しんでいるという。

米国立衛生研究所( NIH )で行われた最近の 2 つの研究では、マイクロバイオームの変化が ME/CFS の原因となる可能性が示されている。

これらの研究では、 ME/CFS 患者は通常の人よりも、代謝系や免疫系に関わる物質をつくる特定の腸内細菌が少ないことが明らかになった。

この病気に悩む人々にとっては、新たな診断と治療への道が開かれる可能性を示す結果となりそうだ。

人間の消化器系には数兆個もの微生物がすんでおり、食物の消化を助けたり、体の他の部分に信号を送ったりしているということはご存知だと思う。

ME/CFS 研究で最先端を走る米・ベイトマン・ホーン・センターのスザンヌ・バーノン研究部長は、新型コロナに罹患した場合、ウィルス感染によって、患者の腸の生態系が乱された結果、吐き気や下痢などの消化器系の症状が現れるのではないかと話している。

ほとんどの場合、マイクロバイオームはすぐに正常な状態に戻るが、なかなか回復しない場合もあるとバーノン氏は説明する。

そうなると、体の多くの機能をうまく制御できない状態が長く続くことにつながるという。

こういった症状に関連するマイクロバイオームの変化についてわかってくると、診断方法の改善や治療方法の開発に活用できる可能性があるという。

ME/CFS の症状は「雪だるま式に蓄積する」と、米・コロンビア大学メディカルセンターの感染症専門医で、新型コロナ後遺症患者の治療やマイクロバイオームの研究に携わるローレンス・パーピュラ氏は「早い段階で治療できれば、そもそも雪だるまが大きくなることを防げる可能性があります」と語っている。

コロナ後遺症に関して、少しは解明の糸口が見えてきたのだろうか?

次回は、研究の中身を見てみる。

先週、後半の感染動向を追う。

3 月 30 日(木曜日)

3 月 31 日(金曜日)

4 月 1 日(土曜日)

4 月 2 日(日曜日)

次回へ・・・。