「真実の口」2,148 来るべき大地震に備えて ⑩

前回の続き・・・。

前回は津波の最大高の件のみを表記したが、もう少し詳しく見てみる。

海岸の津波高は、原則として、陸域メッシュと海域メッシュの境界から 3 メッシュ沖合(海岸線から概ね 20 ~ 30 m沖合)の海域メッシュにおける津波の高さとし、港湾等の岸壁、堤防、砂浜海岸、海食崖等、海岸の形状等の区別なく当該市町村の全ての海岸線にわたり算出しているらしい。

●[基本的な検討ケース](計 5 ケース)

▶ ケース ① 「駿河湾~紀伊半島沖」に「大すべり域+超大すべり」域を設定

◎ 津波高(平均津波高):

[ 10m 以上が想定される地域] 21  市町村(東京都島しょ部、静岡県、三重県、高知県、宮崎県の 5 都府県)

[ 5m 以上が想定される地域 124 市町村(千葉県、東京都島しょ部、神奈川県、静岡県、愛知県、三重県、和歌山県、徳島県、愛媛県、高知県、大分県、宮崎県、鹿児島県の 13 都府県)

◎ 浸水面積

ケース1・浸水面積

浸水深が微弱( 0.01 ~ 0.3m )以上で 1,000ha( 10km2)以上の浸水面積が想定される市町村 24 市町村(静岡県、愛知県、三重県、徳島県、高知県、大分県、宮崎県の 7 都府県)

▶ ケース ② 「紀伊半島沖」に「大すべり域+超大すべり域」を設定

◎ 津波高(平均津波高):

[ 10m 以上が想定される地域] 26 市町村(和歌山県、徳島県、高知県、宮崎県の 4 都府県)

[ 5m 以上が想定される地域]91 市町村(東京都島しょ部、静岡県、愛知県、三重県、大阪府、兵庫県、和歌山県、徳島県、愛媛県、高知県、大分県、宮崎県、鹿児島県の 13 都府県)

◎ 浸水面積

ケース3・浸水面積

浸水深が微弱( 0.01 ~ 0.3m )以上で 1,000ha( 10km2 )以上の浸水面積が想定される市町村19 市町村(愛知県、三重県、和歌山県、徳島県、高知県、大分県、宮崎県の 7 都府県)

▶ ケース ③ 「紀伊半島沖~四国沖」に「大すべり域+超大すべり域」を設定

◎ 津波高(平均津波高):

[ 10m 以上が想定される地域] 14 市町村(三重県、和歌山県、高知県、宮崎県の 4 都府県)

[ 5m 以上が想定される地域]97 市町村(東京都島しょ部、静岡県、愛知県、三重県、和歌山県、徳島県、愛媛県、高知県、大分県、宮崎県、鹿児島県の 11  都府県)

◎ 浸水面積

ケース2・浸水面積

浸水深が微弱( 0.01 ~ 0.3m )以上で 1,000ha( 10km2 )以上の浸水面積が想定される市町村16 市町村(三重県、和歌山県、徳島県、高知県、大分県、宮崎県の6都府県)

▶ ケース ④ 「四国沖」に「大すべり域+超大すべり域」を設定

◎ 津波高(平均津波高):

[ 10m 以上が想定される地域] 19 市町村(和歌山県、徳島県、高知県、宮崎県の 4 都府県)

[ 5m 以上が想定される地域]89 市町村(東京都島しょ部、静岡県、三重県、兵庫県、和歌山県、徳島県、愛媛県、高知県、大分県、宮崎県、鹿児島県の 11  都府県)

◎ 浸水面積

ケース4・浸水面積

浸水深が微弱( 0.01 ~ 0.3m )以上で 1,000ha( 10km2 )以上の浸水面積が想定される市町村18 市町村(三重県、和歌山県、徳島県、高知県、大分県、宮崎県の6都府県)

▶ ケース ⑤ 「四国沖~九州沖」に「大すべり域+超大すべり域」を設定

◎ 津波高(平均津波高):

[ 10m 以上が想定される地域] 21 市町村(和歌山県、愛媛県、高知県、宮崎県の 4 都府県)

[ 5m 以上が想定される地域]91 市町村(東京都島しょ部、神奈川県、静岡県、愛知県、三重県、和歌山県、徳島県、愛媛県、高知県、大分県、宮崎県、鹿児島県の 13 都府県)

◎ 浸水面積

ケース5・浸水面積

浸水深が微弱( 0.01 ~ 0.3m )以上で 1,000ha( 10km2 )以上の浸水面積が想定される市町村19 市町村(三重県、和歌山県、徳島県、高知県、大分県、宮崎県の 6 都府県)

●[その他派生的な検討ケース](計 6 ケース)

<大すべり域、超大すべり域に分岐断層も考えるパターン【 2 ケース】>

▶ ケース ⑥ 「駿河湾~紀伊半島沖」に「大すべり域+(超大すべり域、分岐断層)」を設定

◎ 津波高(平均津波高):

[ 10m 以上が想定される地域] 23 市町村(東京都島しょ部、静岡県、三重県、高知県、宮崎県の 5 都府県)

[ 5m 以上が想定される地域]124 市町村(千葉県、東京都島しょ部、静岡県、三重県、和歌山県、徳島県、愛媛県、高知県、大分県、宮崎県、鹿児島県の 10 都府県)

◎ 浸水面積

ケース6・浸水面積

浸水深が微弱( 0.01 ~ 0.3m )以上で 1,000ha( 10km2 )以上の浸水面積が想定される市町村25 市町村(静岡県、愛知県、三重県、徳島県、高知県、大分県、宮崎県の 7 都府県)

▶ ケース ⑦ 「紀伊半島沖」に「大すべり域+(超大すべり域、分岐断層)」を設定

◎ 津波高(平均津波高):

[ 10m 以上が想定される地域] 17 市町村(三重県、和歌山県、高知県、宮崎県の 4 都府県)

[ 5m 以上が想定される地域]94 市町村(東京都島しょ部、静岡県、愛知県、三重県、和歌山県、徳島県、愛媛県、高知県、大分県、宮崎県、鹿児島県の 11  都府県)

◎ 浸水面積

ケース7・浸水面積

浸水深が微弱( 0.01 ~ 0.3m )以上で 1,000ha( 10km2 )以上の浸水面積が想定される市町村24 市町村(愛知県、三重県、和歌山県、徳島県、高知県、大分県、宮崎県の 7 都府県)

<大すべり域、超大すべり域が2箇所のパターン【 4 ケース】>

▶ ケース ⑧ 「駿河湾~愛知県東部沖」と「三重県南部沖~徳島県沖」に「大すべり域+超大すべり域」を 2 箇所設定

◎ 津波高(平均津波高):

[ 10m 以上が想定される地域]23 市町村(東京都島しょ部、静岡県、三重県、和歌山県、高知県、宮崎県の 6 都府県)

[ 5m 以上が想定される地域] 123 市町村(千葉県、東京都島しょ部、神奈川県、静岡県、愛知県、三重県、和歌山県、徳島県、愛媛県、高知県、大分県、宮崎県、鹿児島県の 13 都府県)

◎ 浸水面積

ケース8・浸水面積

浸水深が微弱( 0.01 ~ 0.3m )以上で 1,000ha( 10km2 )以上の浸水面積が想定される市町村19 市町村(静岡県、愛知県、三重県、和歌山県、徳島県、高知県、大分県、宮崎県の 8 都府県)

▶ ケース ⑨ 「愛知県沖~三重県沖」と「室戸岬沖」に「大すべり域+超大すべり域」を 2 箇所設定

◎ 津波高(平均津波高):

[ 10m 以上が想定される地域]21 市町村(和歌山県、徳島県、高知県、宮崎県の 4 都府県)

[ 5m 以上が想定される地域] 110 市町村(千葉県、東京都島しょ部、静岡県、愛知県、三重県、和歌山県、徳島県、愛媛県、高知県、大分県、宮崎県、鹿児島県の 12 都府県)

◎ 浸水面積

ケース9・浸水面積

浸水深が微弱( 0.01 ~ 0.3m )以上で 1,000ha( 10km2 )以上の浸水面積が想定される市町村23 市町村(愛知県、三重県、和歌山県、徳島県、高知県、大分県、宮崎県の 7 都府県)

▶ ケース ⑩ 「三重県南部沖~徳島県沖」と「足摺岬沖」に「大すべり域+超大すべり域」を 2 箇所設定

◎ 津波高(平均津波高):

[ 10m 以上が想定される地域]17 市町村(三重県、和歌山県、高知県、宮崎県の 4 都府県)

[ 5m 以上が想定される地域] 95 市町村(東京都島しょ部、静岡県、三重県、大阪府、兵庫県、和歌山県、徳島県、愛媛県、高知県、大分県、宮崎県、鹿児島県の 12 都府県)

◎ 浸水面積

ケース10・浸水面積

浸水深が微弱( 0.01 ~ 0.3m )以上で 1,000ha( 10km2 )以上の浸水面積が想定される市町村 18 市町村(三重県、和歌山県、徳島県、高知県、大分県、宮崎県の 6 都府県)

▶ ケース ⑪ 「室戸岬沖」と「日向灘」に「大すべり域+超大すべり域」を 2 箇所設定

◎ 津波高(平均津波高):

[ 10m 以上が想定される地域]27 市町村(和歌山県、徳島県、愛媛県、高知 県、宮崎県の 5 都府県)

[ 5m 以上が想定される地域] 94 市町村(東京都島しょ部、静岡県、三重県、和歌山県、徳島県、愛媛県、高知県、大分県、宮崎県、鹿児島県の 10 都府県)

◎ 浸水面積

ケース11・浸水面積

浸水深が微弱( 0.01 ~ 0.3m )以上で 1,000ha( 10km2 )以上の浸水面積が想定される市町村 18 市町村(三重県、和歌山県、徳島県、高知県、大分県、宮崎県の 6 都府県)

11 のケースの具体的な被害想定域を見てみたが如何だろうか?

海岸における津波高よりも標高の低い全ての地域が浸水すると誤解している方も多いのではないだろうか?

海岸の津波高は、港湾等の岸壁、堤防等の形状や砂浜海岸、海食崖等の地形条件により高さが異なってくる。

また、陸域に津波が浸水すると、陸域の地形等の形状や津波の周期等によっても異なるが、一般的には津波は減衰し、浸水深は内陸に入るにつれて小さくなる。

陸域における津波の被害は、この浸水深の深さにより被害の程度は大きく異なってくる。

避難や防災対策を検討する上では、海岸の津波高ではなく、津波の浸水域及び浸水深を考慮する必要がある。

あなたの住んでいる住居がどのような地形に囲まれているかが重要なポイントなる。

浸水深の深さの目安は、以下のようになる。

・ 0.3m 以上・・・避難行動がとれなく(動くことができなく)なる
・ 1m 以上・・・津波に巻き込まれた場合、ほとんどの人が亡くなる
・ 2m 以上・・・木造家屋の半数が全壊する
・ 3m 以上・・・木造家屋ほとんどが全壊する
・5m 以上・・・ 2 階建ての建物(或いは 2 階部分までが)が水没する

もう一度、確認して欲しい。

Check ☞ 市区町村別ケース別:最大津波高満潮位・地殻変動考慮)

次回へ・・・。