「真実の口」2,135 能登半島地震 ⑬

前回の続き・・・。

能登半島地震が発生して、今日で 49 日である。

今回は、液状化にスポットを当ててみる。

液状化現象が注目されたのは、 1964 年(昭和 39 年)の新潟地震かららしい。

奇しくも私の生まれた年だ。

・・・というか、東京オリンピックのの年に地震があったことを始めて知った。

以下、 Wikipedia 参照・・・。

新潟地震は、 1964 年(昭和 39 年) 6 月 16 日 13 時 2 分頃、新潟県の粟島南方沖約 40km を震源とした M7.5 の地震が発生し、新潟県から東北南部にかけて震度 5 を観測した。

この地震で、死者 26 人、負傷者 447 人、家屋損壊 70,000 棟以上の被害が発生している。

日本の歴史上、最大級の石油コンビナート災害をもたらした地震で、化学消防体制が脆弱な時代背景もあり、 143 基の石油タンクが延焼し、その火災は 12 日間続いたそうだ。

この地震を機に、以後、石油コンビナート防災の指標の一つとなっているらしい。

また、この地震を機に住宅地や工業地帯の液状化現象への本格的な研究が始まったそうだ。

更に、日本で地震保険ができる直接的な要因となった震災となり、この 2 年後、 1966 年(昭和 41 年)に地震保険制度が誕生したらしい。

13 時 30 分に津波警報が発表されたが、既に地震発生から約 15 分後には津波の第一波が来襲しており、新潟市では高さ 4m に達し、その他にも佐渡島や粟島・島根県の隠岐諸島でも冠水被害が出るなどしたそうだ。

押し波から始まって、佐渡島両津港では 3m 、塩谷間で 4m 、直江津で 1 ~ 2m 、岩船港付近 4m が観測され、砂浜への駆け上がり現象で 6m を観測した地点も報告されているという。

そして、肝心の液状化だが、信濃川左岸では、液状化現象により河畔の県営川岸町アパート 8 棟のうち 3 棟が大きく傾き、特に 4 号棟はほぼ横倒しになったというから液状化現象が如何に被害を大きくするかがうなずける。

1964新潟地震・県営川岸町アパート

震源に近い信濃川右岸では、新潟空港の滑走路が津波と液状化により冠水し、新潟港内では火災も発生している。

上記したが、空港と港の間にある昭和石油新潟製油所(現・出光興産新潟石油製品輸入基地)のガソリン入りタンク No.33 の配管が地震動で損傷し、漏出したガソリンが液状化により湧出した地下水と津波による海水の上を広がり、地震から約 5 時間後に爆発炎上した。

1964新潟地震・昭和石油タンク爆発 コンビナート火災

火は水上の油に燃え移って広がり周囲のタンクも誘爆炎上させ拡大した火災は 12 日間に渡って炎上し続けた。

火災は周辺民家にも延焼して全焼した建物は 347 棟、半焼 6 棟、被災 347 世帯、罹災者 1,407 人。

この石油タンクの火災は当時、液状化現象が原因と言われていたが、後に、長周期地震動によるものであることが解明されている。

また、液状化によって側方流動現象によって、万代橋付近の川幅が 23m ほど狭まったそうだ。

そして、 1995 年の阪神淡路大震災では、神戸市のポートアイランドをはじめ、芦屋市、西宮市の埋め立て離で液状化現象が観測されている。

1995阪神淡路大震災・ポートアイランドの液状化現象

この「液状化現象」により、「不等沈下」が発生し、家屋が傾き、人々の生活に大きな影響を与えた。

「不等沈下」とは地盤沈下を指す建築用語の一種で、建築物の基礎部分や建物全体が傾いて沈下することで、構造材の歪み、柱・梁の歪みの原因となり、建物の耐性を弱める深刻な現象で、「不同沈下」ともいわれる。

「不等沈下」は、地盤が不安定な場合や、大雨によって地盤が弱まる場合、また建築の初期工程が不十分である場合などに起きやすい。

「不等沈下」の実例として、イタリアのピサの斜塔が挙げられる。

原理的には、砂層の軟弱な地盤の上に建物を建てたとき、建物の重みで地中の水分が逃げ、水分が失われた分だけ地盤が沈下し、建物が傾くというメカニズムである。

阪神淡路大震災大震災の「液状化現象」の原因は埋め立て地に使われた「真砂土」と言われる六甲山地の山砂である。

これらの「液状化現象」を解説した動画がわかりやすいと話題になっている。

湿地帯生物の観察と研究をしているオイカワ丸さん( @oikawamaru )が、 2 月 11 日に息子さんとの実験の模様を投稿したところ、 2 万件以上の「いいね」が送られている。

https://twitter.com/i/status/1756654936249811440

液状化現象の実験

石や棒を建物だと考えれば、液状化による影響は安易に想像が付く。

次回へ・・・。