「真実の口」2,126 能登半島地震 ⑪

前回の続き・・・。

能登半島地震から 4 週間が経過した。

石川県を襲った津波の情報は部分的であるが寄稿したが、近県の新潟県でも津波が確認されている。

上越市では津波が川を遡上し、住宅にも被害があった。

長岡市では、震度 6 弱、新潟市中央区、柏崎市、上越市などでは、震度 5 強を観測した。

▶ 1 月 1 日 16 時 10 分頃、能登半島沖を震源とする M7.6 の地震が発生。

▶ 1 月 1 日 16 時 12 分、津波警報発表。

津波警報 16時12分

▶ 1 月 1 日 16 時 22 分、大津波警報・津波警報に切り替え。

大津波警報 16時12分

津波警報 16時22分

▶ 1 月 1 日 18 時 30 分、津波警報に切り替え。

津波警報 20時30分

▶ 1 月 2 日 1:15 、津波注意報に切り替え。

▶ 1 月 2 日 2:30 、津波注意報を一部解除。

▶ 1 月 2 日 7:30 、津波注意報を一部解除。

▶ 1 月 2 日 10:00 、波注意報解除。

新潟県では、 1993 年以来となる「津波警報」が、上中下越・佐渡に発表された。

予想された津波の高さは 3m 。

東日本大震災の記憶が残る住民には、緊張が走ったことと思う。

県内では、柏崎市鯨波で 40cm 、新潟市中央区と佐渡市鷲崎で 30cm の津波が観測された。

上越市の関川に設置された北陸地方整備局のカメラには、地震発生から約 30 分後、河口から遡上する津波の様子が捉えられていた。

UX新潟テレビ 21 の大角怜司アナウンサーは、「津波は、この川を遡上してきました。私の身長約 178 センチあるんですが、その身長をはるかに超える堤防を越えて、津波は住宅地を襲ったということです。」と伝えている。

津波は、関川の支流にあたる保倉川でも確認されている。

地震発生から約 35 分後、 UX の情報カメラには、保倉川にかかる橋の上で津波に遭遇する車の様子が映し出されていた。

高田河川事務所が、堤防内にあるがれきなどを調べたところ、津波は関川で約 5km 、保倉川で 1.6km さかのぼっていることがわかっている。

新潟大学・安田浩保研究教授が、当時の関川について調査した結果以下のことが分かった。

今回の津波は、新幹線並みのスピードで押し寄せたと分析。

平野が広がる新潟の場合、短時間で押し寄せた津波が川をさかのぼり、内陸に到達することが考えられる。

安田教授:「関川は地震発生から 20 分後にもう、急激に水位が上がっていて、 70cm ぐらい上がっていると。一気に 70cm です。その後、この頭からドーンと下がっているのを見ると、関川の津波の影響っていうのは、短時間の間に 1m 動いたという解釈になります。内陸の奥深く、10km、20kmまで、大規模な津波の場合、到達することが予想されていて、今回は、新潟において津波の規模は中小規模でしたけれども、やはりそれでも、川の中に侵入することが一般市民の方の、動画の撮影などで見られているので、警戒しなければいけない。地震発生がだいたい午後4時で、翌朝、明るくなるくらいまで、12時間以上、中小規模の津波であっても、継続していることが確認されていて、これはつまり、さらに津波の規模が大きかった場合は、最低でも半日、長ければ今回と同じように、1日ぐらいは、警戒を続ける必要があると言えます。」

今回の地震では、発生から 30 分後には、新幹線並みの速度の津波が襲ってきたわけだが、能登半島地震以降、震度 1 以上の有感地震が 56 回発生している。

震度 1 ・・・ 29 回
震度 2 ・・・ 16 回
震度 3 ・・・ 10 回
震度 4 ・・・ 0 回
震度 5 弱 ・・・ 1 回

1 月 9 日 17 時 59 分ごろに発生した震度 5 弱の地震では、長岡市で震度 5 弱、新潟中央区、新潟秋葉区、新潟南区、新潟西区、新潟西蒲区、三条市、柏崎市、見附市、上越市、佐渡市、魚沼市、阿賀町で震度 4 を観測している。

津波の波形から活断層の動きを分析する東京大学地震研究所の佐竹健治教授は、能登半島地震では色の付いた 4 枚の活断層が最大 4m 滑ったことで津波が発生したが、このときほとんど動かなかった活断層の存在を指摘している。

東京大学地震研究所HPより

佐渡沖の 2 枚の活断層が、割れ残り、この活断層が「大きな余震を引き起こす恐れがある」と警鐘を鳴らしている。

佐竹健治教授:

「例えば 2 枚の活断層が滑ると、最大 M7 クラスの地震が発生して、新潟県でも 3m くらいの津波が発生する可能性がある。それだけのポテンシャル・エネルギーを持っている。」

今回、動きが大きかった能登半島沖の活断層は南西に傾いているのに対し、佐渡沖の活断層は北西側に傾いていて傾きが逆方向だったため、活断層の動きに差が生まれたそうだ。

佐竹健治教授:

「(日本海側の) M7.5 以上の地震は、一番大きな余震が 1 カ月くらい経って起きるということは結構ある。これまで日本海側で起きた 3 度の地震は約 1 カ月後に最大余震が起きている。佐渡沖では十分注意する必要がある。 1 月 1 日から 1 ケカ月なので、あと 1 ~ 2 週間くらいは十分注意が必要だと思う。場所にもよるが、 5 ~ 10 分以内には到達するところが多い。特に津波が大きくなりそうなのは佐渡の小木。断層の真向かいにある上越・柏崎あたりと考えられる。」

現実にならないことを祈るばかりである。

次回へ・・・。