「真実の口」2,283 サバイバー ㊴

前回の続き・・・。

11 月 27 日(水)

夜中に何度か目は醒めたが、快調であった。

朝 6 時前に最後の水を胃に届ける。

6 時、病棟の照明が一斉点灯した。

しばらくしてノックがした。

コンコンコン♪

看:「おはようございま~す。」

私:「おはようございます。」

看:「よく眠られましたか?」

私:「はい。」

看:「ネームタグをお願いします。」

毎度、ネームタグで本人を確認する作業があるのだが、以降は省略する。

私:「はい。」

看:「先に体温と酸素濃度を測りますね~。」

私:「はい。」

体温計を渡されオキシメーターを人差し指に挟まれる。

看:「体温、酸素濃度共に大丈夫です。」

私:「はい。」

看:「次に、血圧を測りますね~。」

私:「はい。」

看:「上が #$% 、下が %& です。普段、こんなもんですか?」

私:「はい。」

私の血圧は、普段は、上が 130 台、下が 80 台である。

ただ、白衣恐怖症の私は、病院等になると、上が 140 ~ 150 台、下が 80 ~ 90 台となる傾向がある・・・・(笑)。

最近の医療関係者は、 WHO や厚労省の差し金(笑)からか、これを高いと表現する。

私は意に介していないので、以降は、この不毛なやり取りも省略する。

看:「胸の音とお腹の音を聞かせてください。」

私:「はい。」

聴診器で胸の音とお腹の音を聞く。

看:「はい。異常なしです。」

私:「はい。」

看:「今日は 9 時から手術です。 6 時からはお水は飲んでいませんね?」

私:「はい。」

看:「だいたい 8 時 30 分位に看護師が声を掛けに来ます。」

私:「はい。」

看:「そのくらいに術衣に着替えてください。」

私:「はい。」

看:「お荷物はまとめていらっしゃいますか?」

私:「はい。」

看:「チェックしますね~。」

私:「はい。」

看:「冷蔵庫や棚も空ですね?」

私:「はい。」

看:「主術の後に部屋の移動があったら、お荷物は移しておきます。」

私:「はい。」

看:「手術室に持っていくのは、この紙袋ですね?」

私:「はい。」

看:「これは私たちが持っていきますのでこのまま置いておきます。」

私:「はい。」

看:「今日は奥様が見えられるんですよね?」

私:「はい。」

看:「奥様が下に着かれましたら、スタッフステーションに伝えてください。」

私:「はい。わかりました。」

看:「それでは、後しばらく、安静に過ごしておいてください。」

私:「はい。」

看護師さんが病室を出た後、歯磨きを念入りにする。

7 時過ぎ、家内から家を出た旨の LINE が入る。

実に、まな板の鯉ではないが、手持無沙汰である・・・(笑)。

8 時過ぎ、髭剃りをする。

準備は万端である。

8 時 26 分、家内から 4 階に着いた旨の LINE が入る。

スタッフステーションにその旨を伝えに行く。

私:「すいません。 4 階に家内が到着したと連絡がありました。」

看:「それでは、着替えましょうかね。」

私:「はい。」

病室に戻り、術衣と着圧ソックスを身に付ける。

コンコンコン♪

看:「失礼しま~す。」

私:「はい。」

看:「着替え出来ましたか?」

私:「はい。」

看:「ソックスも大丈夫そうですね?」

私:「・・・?初めてなので分かりませんけど・・・?(笑)」

医療用着圧ソックス

看:「大丈夫そうです(笑)。」

私:「はい。」

看:「もう。どこかに連絡するところはありませんか?」

私:「はい。」

看:「それでは、この袋の中に携帯や貴重品を入れてください。」

私:「はい。」

看:「最後に封をしますので、封のところにサインをしてください。」

私:「はい。」

看:「これで、手術が終わるまで誰も開けられません(笑)。」

私:「あ~・・・。そういうこと(笑)。」

看:「はい。もう少しお待ちくださいね。後で、手術室までの案内に来ます。」

私:「はい。」

しばらくしてノックがした。

コンコンコン♪

看:「佐々田さん。行きましょうかね?」

私:「はい。」

看:「じゃあ、案内します。」

私:「はい。」

いつもの入り口とは違う方向に進み、スタッフステーションをぐるりと迂回して、別のエレベーターで階下に降りた。

4 階家族控室へ行く。

4F家族控室

数組のご家族がいらっしゃった。

一斉に目が集まり、視線が痛い(笑)。

看:「奥様はいらっしゃいますか?」

私:「え~っ、ああ、あそこに・・・。」

家内が気付いて手を振る。

看:「おはようございます。」

家:「おはようございます。」

看:「これから手術に入ります。予定では 2 時間半程度になっていますが、状況はお伝えしますので、出来るだけ控室にいらっしゃるようにしてください。」

家:「はい。」

看:「手術が終わりましたら、外の通路でお顔を見ることは出来ます。」

家:「はい。」

看:「麻酔が効いているので、会話ができるかどうかは分かりません。」

家:「はい。」

看:「その後に、執刀医から説明室で説明があります。」

家:「はい。」

看:「何もなければそのまま病室に戻られる予定になっていますが、面会時間内であれば面会も出来ます。」

家:「はい。」

私:「まあ、今日は良いさ。多分、術後に会話できると思うから明日で良いよ。」

家:「う~ん。でも、時間潰して来るよ。」

私:「うん。ありがとう。」

看:「それではよろしいですか?」

私:「はい。」

家:「よろしくお願いします。」

看:「行きましょうか?」

看護師さんに案内されて中央手術室へと向かう。

中央手術室(イメージ)

あくまでイメージである(笑)。

中に入るとだだっ広い空間が広がっていた。

次回へ・・・。