「真実の口」409 命のちから(リアル入院編)・・・その弐

前回の続き・・・。

家内の車を降りた私は、再度、“両膝に両手で突っ張った中腰スタイル”で、自宅の玄関へ向かった。

余り、格好の良いものではない・・・。

リビングに入ると、高校生の娘は怪訝そうな顔をするが、もうすぐ2歳の末娘は、状況が分からず、飛びついてこようとする。

取りあえず、ソファに腰掛け、タブレットで、茨木市内の救急病院を調べてみた。

茨木市のHPには、救急対応の病院が7つあることを示されている。

その中で、『急患等により、診察不能となる場合がありますので、あらかじめ電話で確認して下さい』と書かれている。

私のように、生死がどうこうと言うほど、緊急を要していない人間は良いが、本当に急を要する人間は、そんなことはできないと思うのだが・・・。

まあ、何れにしろ、この案内では、腰痛に対応できる病院がどこなのか判らないので、再度、検索してみると、お医者さんガイド病院検索というHPがヒットした。

ここでは、『大阪府茨木市で救急を標榜する病院・医院は6件あります。』となっている。

このサイト、診療科目、診療時間、アクセス方法、駐車場の数、あるいは特色まで、見ることができた。

更に、曜日や診療時間などの条件で、絞り込むことができるようになっているようだ。

土曜日・17:30で検索すると、1件がヒットした。

しかし、先ほどの6件のうちの1件が、“市内唯一の公的病院”と書かれていたので、公的病院という響きにつられて、そこに、家内に電話してもらった。

私は横で聞いていたのだが、どうやら、担当の医師がいないので、来てもらっても対応ができない云々ということを言っているようだ。

家内が、再確認のため、「車で行っても、救急車を呼んで行っても、対応できないということですかね?」と聞いてみた。

すると、「それは、こちらからは言えない」と言っているらしい。

ははあ・・・、俗に言う、診療拒否を自分から認めることは出来ないということらしい。

まあ、そういうことであれば、救急車を呼ぶしかない。

家内に電話するように言うと、「119よね?」と確認してくる。

そうか・・・、普通の人は、滅多にかけない番号なのだと再認識する。

今まで、何度かけたことだろう・・・。

「ん?」と分からない人は、過去ブログを読んで欲しい。

とりあえず、家内に、「サイレンを鳴らして来るほどのものでもないから、音を消して来て欲しいって言って・・・」と伝えた。

家内が電話して、すぐに、「救急です」と答えている。

電話の向こうでは、「火事ですか?救急ですか?」と聞かれたことと思う。

そして、家内が住所を尋ねられたのか、「△▽町」と応えると、すぐに、「□□さんと・・・」応えている。

これは、電話を切った後に、家内に聞いたのだが、番地を言おうとしたら、「お隣は?」と聞かれたそうである。

更に、「□□さんと・・・」と応えるとすぐに、反対側の家の「■■さんですね」と向こうから確認されたらしい。

人命救助について、寄稿した際に、携帯電話でかけると、GPSで探知するということを書いたが、難点が一つある。

電波の繋がる状況にずっといなければいけないので、119のオペレーターからも、「必ず、電波の繋がる場所に居てください」と念を押されるのである。

しかし、固定電話一本で、ここまで判るのであれば、固定電話の方が良さそうである。

因みに、サイレンを消してきて欲しいという願いは、「安全上、出来ません」と簡単に却下された。

そして、家内が電話を切るとすぐに、遠くでサイレンが聞こえ始めた。

待つこと、a few minutes・・・。

私が、今まで呼んで来た救急車のどれよりも早く、救急車がやって来て、我が家の前でサイレンが止まった。

多分、3分も掛かっていないのではないだろうか?

救急隊員が、玄関から入ってきて、確認した。

隊員:「動けますか?」

私:「はい・・・何とか・・・。」

そして、私は、例の“両膝に両手で突っ張った中腰スタイル”で、玄関を出て、救急車に乗り込んだ。

次回へ・・・。