「真実の口」972 平成28年熊本地震から3ヶ月⑤

前回の続き・・・。

今回、私が九州入りした時期は、熊本から大分、更には、南海トラフに繋がるのではないかと囁かれていた時期である・・・。

東日本大震災では、1ヶ月後の4月11日、福島県浜通りを震源とするマグニチュード7.0、最大震度6弱の地震があり・・・。

また、阪神淡路大震災から約1ヶ月後の2月18日、淡路島付近を震源とするマグニチュード5.0、最大震度4の地震があり・・・。

熊本・大分を中心に5月14日前後に大きな地震があるのではないかと囁かれていた時期でもある・・・。

本来、熊本地震は、14日の前震は日奈久断層帯の北端部の活動、16日未明の本震は布田川断層帯の活動によるもので、隣接する二つの断層帯が連動することで発生した連動型地震とみられている・・・。

また、16日の本震後、大分県中部の別府~万年山断層帯周辺地域において、地震が相次ぎ、熊本地方の大地震が離れた地域の地震活動を誘発した可能性が考えられるとされているのだが・・・。

気象庁では、「このような例は、日本の近代観測史上、聞いたことがない。」と回答している・・・。

まさに、不気味さが漂うような群発地震だったのだ・・・。

翌朝、5時頃に旅館を抜けだし、熊本と大分を分離すべく、“アルモノ”をとあるところ納めに行った・・・。

これで、今回の使命の完了である・・・。

旅館に戻り、朝食を摂り、チェックアウトをしようとフロントに行くと、女将さんらしき人が立っていた・・・。

女将(以下:将):「如何でしたか?スッポン鍋は?」

私:「ああ、美味しかったですよ。」

将:「あのスッポンは、この裏で養殖しているんですよ。」

私:「へ~っ。」

将:「普通、スッポン鍋は手の平サイズのスッポンを出すんですけど、ウチのは大きいですよ。40~50cm以上ありますからね。」

私:「そうなんですか~?」

将:「ウチの主人が養殖法を考えて、40℃くらいで育てているんですよ。そうしたら短期間で大きくなるんですよ~。」

私:「へ~っ。」

・・・と、ここでは未知のことだったので、驚いたのだが、帰ってから調べたら、冬にハウスや温泉のお湯などで暖かな環境をつくり、冬眠をさせずに餌を食べさせて続けて短期間で大きく育てる養殖方法で、“加温養殖”というのは一般的にあるものだった・・・( ̄▽ ̄;)アハハ…

私:「ところで、湯布院の被害はどうだったんですか?」

将:「それほど被害は受けてないよ。ウチもところどころ建物に被害があったりしているけど、他の旅館も壁が剥がれたりってのは聞くけど、そんな大被害じゃないよ。人が来ないってのが、一番の被害だね~。」

私:「そうですよね~。前々、歩いてませんもんね~。」

将:「早く落ち着いてくれない困るわ~。」

私:「ええ、そうですね。頑張ってください。」

将:「はい。これ。お土産。」

・・・と、スッポンの甲羅を手渡された。

縁起物のスッポンの甲羅

将:「スッポンの甲羅は縁起物だから、飾ってください。」

私:「へ~っ。ありがとうございます。」

声:「良かった、40~50cmスッポンの甲羅じゃなくって・・・(^▽^)=3 ホッ」

旅館を出て、レンタカーのハッチバックドアを開けて、スッポンを閉まったり、“使命”用のグッズをバッグに詰め込んでいたら、先ほどの女将さんが表に出てきた・・・。

将:「男の一人旅は良いね~。」

私:「いやいや、仕事だって・・・。」

将:「ありゃ、そうだったの?」

私:「はい・・・。今から、また、熊本の被災地へ入ります。」

将:「そう・・・。気をつけてね。また、お越し下さい。」

私:「はい。ありがとうございます。」

湯布院の被害がそれほど無い以上、ここで時間を費やすこともないので、再度、熊本へ向けて車を走らせた。

次回へ・・・。