「真実の口」420 命のちから(リアル入院編)・・・その拾参

前回の続き・・・。

やることもなくボーッとしている間に、少しうたた寝したのか、時刻が11時になっていた。

しかし、何もすることがない、何も出来ないということが、こんなに苦痛だとは思わなかった。

病室の窓から、雀のつがいが仲良く遊んでいるのを眺めているだけである・・・。

12時を回ったのか、昼食が運ばれてきた。

7/15・・・昼食

声:「う~ん・・・。何だか、微妙な食事だなぁ・・・。」

・・・と、箸を持ち、手を合わせて、「いただきます・・・」と口にしたところで、廊下を元気にパタパタ走ってくる音が聞こえた。

娘:「と~と~!!」

やはり、末娘だった。

末娘は、自分がくつろぎたい時には、すぐに、何処でも靴を脱ぎ、更に靴下を脱ぎ出す。

家内に言わせると、私の行動そっくりらしいのだが・・・(@・Д・@)??

娘は、病室に備え付けの椅子によじ登ると、私の食事のプレートの中に、イチゴの絵が書いた物を、目ざとく見つけると、それをよこせと騒ぎ出した。

イチゴクレープを手にすると、ようやく大人しくなった・・・。

声:「これでは、同室の人間に迷惑がかかるから、個室に変えてもらおうかな・・・?しかし、個室っていくら位するんだろう・・・?」

入院などしたことのない私には、全く、見当がつかない。

前職の外資系の保険のライフプランナーの時には、差額ベッド代の話はする物の、高度治療を受けた場合を前提に話していた・・・。

声:「まあ、後で良いか・・・。」

やはり、誰かと会話しながら取る食事は、病院食でも、まだ、美味しく感じる。

食事を済ませると、家内から、パソコン、タブレット、無線LANルーター、充電器、本、DVD、ヘッドフォン、着替え、等々、必要な物を受け取った。

声:「これで、ようやく、時間がつぶせる・・・o(^-’o)♪☆(o^-^)o~♪」

家内と娘が帰った後、すぐに、パソコンを開いた。

実は、入院をしていなかったら、連休明けから、東京で面談が2件、岡山で面談が2件入っており、大阪→東京(1泊)→岡山(1泊)→大阪と2泊3日の出張を組んでいたのである。

当初は、大阪→東京(1泊)→広島→岡山(1泊)→大阪という日程だったのだが、広島の方が、岡山まで出てきていただけると言うことで、少しは余裕のある日程にしてもらったのだが・・・。

病室内は電話が使えないので、メールで、相手先に事情を説明して、予定をキャンセルしなければいけない。

パソコンを開いたのは良いのだが、思うようにパソコンが使えないことに気付いた。

ベッドの両脇のパイプに渡して使うテーブルを思い切り手前に引いても、ベッドの半分までも引き寄せられない。

腰をまっすぐに出来ないので、上半身はベッドをリクライニングさせているので、身体はパソコンから遠ざかる。

どうも、両手で操作することは無理そうなので、片手を伸ばして、パソコンを操作する。

メーラーには、何件ものメッセージが入っていた。

国内はもちろん、韓国、ベトナムと海外からのメールも入っていた。

声:「この状況では、英語のメールを作るのにも一苦労しそうだなあ・・・。」

とりあえず、優先事項の高いキャンセルのメールを、時間をかけて作った。

普段なら、数分で作れそうなメールなのだが、無理な姿勢を取っている為、休憩しながらなので、優に数十分を使ってしまった。

非常に申し訳ないが、同じ内容をコピーして、4人の方に送信した。

声:「3連休だからなあ・・・。メールを確認してくれれば良いんだけど・・・。」

一抹の不安を覚える。

少し、疲れたので、休憩するために、ベッドを倒した。

相変わらす、姿勢によっては、腰に激痛が走り、ベストなポジショニングが取れない。

少し、休憩した私は、再度、パソコンの操作に挑戦した。

個室の料金を調べるためである。

調べてみると、5,250円、10,500円、23,100円の3つのタイプがあるようだ。

声:「5,250円ならなんとかなるかなぁ・・・。」

意を決して、ナースコールを押した。

すると、スピーカーから、「佐々田さん、どうされました~?」という声が聞こえてきた。

私:「すみません・・・。個室に移動したいのですが、空いてますか?」

看:「すいません。そちらに行きますね~。しばらく、お待ち下さい。」

しばらくして、看護師がやって来た。

看:「個室をご希望ですか?」

私:「はい・・・。」

看:「では、空き状況を、担当者に調べさせますね~。」

私:「はい・・・。」

私は、空き状況くらいすぐに分かると思っていたのだが、待てど、暮らせど、看護師が帰ってこない・・・?

次回へ・・・。