「真実の口」489 解れば面白い元素周期表・・・?⑧

前回の続き・・・。

前回、“鉄(Fe)”をピックアップしてみた。

今回は、我々の体中にどうやって、酸素を運んでいるのかを見てみたい。

前回も書いたが、酸素は水に溶けづらい・・・。

当然、人間の血液は、南国の海より温度が高いので、より、酸素は溶解しづらいと言うことになる。

そこで、我々は、誰でも一度は耳にしたことがあるだろう、“ヘモグロビン”を利用するのである。

ヘモグロビンは、赤血球中に存在する色素タンパク質で、ヘモグロピン1個につき4個の鉄(Fe)分子を含んでいるらしい・・・。

そして、それぞれの鉄(Fe)分子に酸素(O)が、1個ずつ結合する形で、計4個の酸素結合化合物が作られている。

著者が言うには、我々が考える以上に、化合物を使って、酸素(O)を運搬するのは簡単じゃないらしい・・・( ̄3 ̄)。o O フーン

酸素(O)と結合するだけなら、物質は山ほどある・・・。

酸化する物質は、すべて、酸素(O)と結合できるわけだから・・・(´-ω-`)う~む

酸化ナトリウム(Na2O)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(II)( CuO) 二酸化酸化マンガン(MnO2)、etc・・・。

そして、酸化鉄(II) FeO、酸化鉄(ⅡⅢ)(Fe3O4)・・・《一般的に黒錆》、酸化鉄(III) Fe2O3・・・《一般的に赤錆》。

何故、酸素(O)の運搬をするのに、何故、鉄(Fe)を我々の身体は、選択したのだろう???

その答えは、結合した酸素(O)を、細胞に手渡さなければいけないということである。

細胞まで運んできたは良いが、酸素(O)の受け渡しが出来なければ、何の意味もないのである。

肺で酸素(O)とくっつき、全身の細胞に受け渡す・・・。

著者が言うには、人体にとって、この一番重要な働きをするには、ある程度の大きさの金属が必要だったらしい・・・( ̄3 ̄)。o O フーン

炭素(C)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)というような普通の有機化合物では、原子が小さすぎて、酸素と全くくっつかないか、完全に結合してしまうかどちらかになり、不適当だという・・・。

そこで、これらより大きく、安定している鉄(Fe)を利用することを選択したのは、決して、偶然ではないとおもう。

宇宙にある金属元素で、存在が一番多く、また、地球でも、重量比で見て、3割~4割を占める鉄(Fe)を選択したのは、人体にとって、一番重要な役割を、稀少元素に頼ることは、出来なかったのだと思う。

では、鉄(Fe)を含んだヘモグロビン(Hb)は、どのようにして、酸素(O)の受け渡しをしているのだろうか?

赤血球に含まれるヘモグロビン(Hb)は、酸素(O)と結合することによって酸素ヘモグロビン(HbO2)となり、酸素(O)を運搬している。

ヘモグロビン(Hb)は、酸素分圧が高いと酸素(O)と結合して、酸素ヘモグロビン(HbO2)になりやすく、酸素分圧が低いと酸素ヘモグロビン(HbO2)は、酸素(O)を放し、ヘモグロビン(Hb)に戻りやすいという特徴がある。

また、二酸化炭素(CO2)濃度が高いと、酸素ヘモグロビン(HbO2)は、酸素(O)を離しやすい特徴がある。

つまり、酸素分圧が高く、二酸化炭素分圧が低い肺では、血液中の酸素ヘモグロビン(HbO2)の量は多くなる。

一方、組織では、細胞が呼吸をして、酸素(O)を使用し、二酸化炭素(CO2)を放出するので、酸素分圧は低く二酸化炭素分圧が高くなり、酸素ヘモグロビン(HbO2)が、酸素(O)を離すので、酸素ヘモグロビン(HbO2)の量が少なくなる。

このように、酸素(O)や二酸化炭素(CO2)の濃度差を利用して、酸素の受け渡しをしているのである。

一般的に、言われることだが、「貧血予防に鉄分を取れ」と言われるが、これは、血液が酸素(O)を運搬する能力は、ヘモグロビン(Hb)量とほぼ比例しているため、体内で鉄(Fe)が不足すると、ヘモグロビン(Hb)が不足し、酸素(O)が供給されないあらゆる組織が、酸素(O)不足に陥り、さまざまな症状を引き起こすからである。

2回にわたり、鉄(Fe)にスポットをあててみたが、次回は、“我々は、何故、動くことが出来るのか?”というテーマで寄稿したいと思う。

次回へ・・・。