「真実の口」1,948 新型コロナウィルス・・・437

前回の続き・・・。

今日、11 月 28 日から、国産初の新型コロナに対応した飲み薬となる‟ゾコーバ”が処方開始となった

‟ゾコーバ”は、11 月 22 日(火)承認されまた塩野義製薬が開発した薬である。

国内では、既に、 2 種類の飲み薬が承認されているが、投与対象はいずれも重症化リスクがある人に限られていた。

薬品名と処方条件は以下のようになっている。

★令和 3 年 12 月 24 日、抗ウイルス薬‟モルヌピラビル”(販売名:‟ラゲブリオ”)

【基本条件(次のいずれも満たす)】

・投与の時点で発症日から 5 日以内
・ 18 歳以上
・妊婦又は妊娠している可能性がない

・・・・・・・・・+

【部分条件(次のいずれかの重症化リスク因子を有する)】

・ 61 歳以上
・活動性の癌(免疫抑制又は高い死亡率を伴わない癌は除く)
・慢性腎臓病
・慢性閉塞性肺疾患
・肥満( ≧BMI30 )
・重篤な心疾患(心不全、冠動脈疾患又は心筋症)
・糖尿病
・ダウン症
・脳神経疾患(多発性硬化症、ハンチントン病、重症筋無力症等)
・コントロール不良の HIV 感染症および AIDS
・肝硬変等の重度の肝臓疾患
・臓器移植後、骨髄移植、幹細胞移植後 など

★令和 4 年 2 月 10 日、抗ウイルス薬‟ニルマトレルビル・リトナビル”(販売名:‟パキロビッド”)

【基本条件(次のいずれも満たす)】

・投与の時点で発症日から 5 日以内
・成人または 12 歳以上かつ体重 40kg 以上の小児

・・・・・・・・・+

【部分条件(次のいずれかの重症化リスク因子を有する】

・ 60 歳以上
・ BMI 25kg/m² 超
・喫煙者(過去 30 日以内の喫煙があり、かつ生涯に 100 本以上の喫煙がある)
・免疫抑制疾患又は免疫抑制剤の継続投与
・慢性肺疾患(喘息は、処方薬の連日投与を要する場合のみ)
・高血圧の診断を受けている
・心血管疾患(心筋梗塞、脳卒中、一過性脳虚血発作、心不全、ニトログリセンが処方された狭心症、冠動脈バイパス術、経皮的冠動脈形成術、頚動脈内膜剥離術又は大動脈バイパス術の既往を有する)
・ 1 型又は 2 型糖尿病
・慢性腎臓病
・神経発達障害(脳性麻痺、ダウン症候群等)又は医学的複雑性を付与するその他の疾患(遺伝性疾患、メタボリックシンドローム、重度の先天異常等)
・限局性皮膚がんを除く活動性の癌
・医療技術への依存( SARS-CoV-2 による感染症と無関係な持続陽圧呼吸療法 等)など

ご覧のように上記 2 種は重症者の中でも既往症がある方に処方されてきた。

一方、‟ゾコーバ”は「重症化リスクが低い軽症者にも使える」という点が特徴である。

‟ゾコーバ”を使用するための条件は・・・?

・ 12 歳以上であること。
・軽症~中等症 1 という比較的症状の軽い人。
・妊娠中の人や高血圧の薬を飲んでいない人。

比較的、緩やかであるようだが・・・。

効果は、塩野義製薬によれば、鼻水・のどの痛み・咳・発熱・けん怠感、といった症状の軽減が期待できるということらしい。

臨床試験では、こうした症状が消失する期間が、‟ゾコーバ”を服用していない場合は 8 日、服用している場合は 7 日、要は 1 日短くなるという結果が出ているらしい・・・。

(。´-ω・)ン?

1 日・・・?

意味あるのか・・??

しかも、コロナ感染症の症状が発現してから 3 日目まで投与を開始しなければいけないらしい。

更に、以下の方は使用できない。

▽本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

▽次の薬剤を投与中の患者
▼ピモジド、キニジン硫酸塩水和物(統合失調症等治療薬のオーラップ錠)
▼ベプリジル塩酸塩水和物(狭心症等治療薬のベプリコール錠)
▼チカグレロル、エプレレノン(心筋梗塞等治療薬のブリリンタ錠)
▼エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(頭痛治療薬のクリアミン配合錠)
▼エルゴメトリンマレイン酸塩(子宮収縮止血剤のメテルギン錠ほか)
▼メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(子宮収縮止血剤のパルタンM錠ほか)
▼ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(頭痛等治療薬のヒポラール錠)
▼シンバスタチン(高脂血症治療薬のリポバス錠ほか)
▼トリアゾラム(睡眠導入剤のハルシオン錠ほか)
▼アナモレリン塩酸塩(抗がん剤のエドルミズ錠)
▼イバブラジン塩酸塩(心不全治療薬のコララン錠)
▼ベネトクラクス〔再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期〕(抗がん剤のベネクレクスタ錠)
▼イブルチニブ(白血病等治療薬のイムブルビカカプセル)
▼ブロナンセリン(統合失調症治療薬のロナセン錠ほか)
▼ルラシドン塩酸塩(統合失調症等治療薬のラツーダ錠ほか)
▼アゼルニジピン(高血圧症治療薬のカルブロック錠)
▼アゼルニジピン・オルメサルタンメドキソミル(高血圧症治療薬のレザルタス配合錠)
▼スボレキサント(不眠症治療薬のベルソムラ錠)
▼タダラフィル(肺動脈性肺高血圧症治療薬のアドシルカ錠)
▼バルデナフィル塩酸塩水和物(勃起不全症治療薬のレビトラ錠ほか)
▼ロミタピドメシル酸塩(高コレステロール血症治療薬のジャクスタピッドカプセル)
▼リファブチン(抗菌剤のミコブティンカプセル)
▼フィネレノン(腎臓病治療薬のケレンディア錠)
▼リバーロキサバン(血栓塞栓症治療薬のイグザレルト錠)
▼リオシグアト(血栓塞栓症治療薬のアデムパス錠)
▼アパルタミド(前立腺がん治療薬のアーリーダ錠)
▼カルバマゼピン(統合失調症等治療薬のテグレトール錠)
▼エンザルタミド(前立腺癌治療薬のイクスタンジ錠)
▼ミトタン(副腎がん治療薬のオペプリム)
▼フェニトイン(抗てんかん薬のアレビアチン錠ほか)
▼ホスフェニトインナトリウム水和物(抗けいれん剤のホストイン静注)
▼リファンピシン(抗菌剤のリファジンカプセル)
▼セイヨウオトギリソウ( St.John’sWort 、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品(各種ハーブなど)

▽腎機能または肝機能障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者

▽妊婦または妊娠している可能性のある女性

素人から見ると使い勝手が悪そうな感が否めない(笑)。

果たして、‟ゾコーバ”はゲームチェンジャーに成り得るのか?

先週前半の感染動向を追ってみよう。

11 月 21 日(月曜日)

11 月 22 日(火曜日)

11 月 23 日(水曜日)

11 月 24 日(木曜日)

次回へ・・・。