「真実の口」1,969 新型コロナウィルス・・・455

前回の続き・・・。

11 日、厚生労働省の専門家組織は、政府が新型コロナウィルス感染症の感染症法上の類型を、「 2 類相当」から季節性インフルエンザと同等の「 5 類」に引き下げる方向で検討していることを巡り、「必要な準備を進めながら段階的に移行すべきだ。」とする見解を公表した。

脇田隆字座長は、新型コロナウィルスの感染症法上の位置づけを見直した場合に必要な対策を、専門家有志として初めて示したことについて、「オミクロン株は重症化率が低いが感染性が高い。感染症法上の類型を見直しても適切な対応を継続しないと、医療には大きな影響が出てしまう。感染症法上の類型にかかわらず、市民が納得感を得られる施策をすべきで感染者や接触のあった人がほかの人に感染を広げない行動、規範、ガイドラインを示して、人びとの自主的な健康習慣としていくべきだ。ただ、病原性が高まり、感染力も高まった変異ウィルスが出現した場合、感染の広がりを抑える対応も必要だ。流行状況をモニタリングし、変異ウィルスによって医療に深刻な影響が出る場合は対策をすべきだ」と述べた。

感染症法上の位置づけを見直した場合の影響として・・・。

現在の新型コロナについて、感染者が重症化したり死亡したりする割合は徐々に低下しているものの、オミクロン株になってウィルスは広がりやすくなっているうえに、感染者数の増加で死亡者数が極めて多くなってきているとしていて、 1 年を通じて流行を繰り返すなど予測が困難なことなどから「季節性インフルエンザと同様の対応が可能な病気になるにはもうしばらく時間がかかる」と評価した。

そのうえで、厳しい措置をとることができる「 2 類相当」から「 5 類」などに変更された場合、患者が増加したときに行政による入院調整が行われず、地域を越えた調整も難しくなることが特に懸念されるほか、治療費が公費で負担されなくなり、感染者が検査や治療を受けない、受けられない可能性があるとした。

一方で、濃厚接触者に対して、法律に基づいた行動制限の呼びかけができなくなることについては、すでに事実上行われておらず影響は少ないとしたほか、感染者が自宅以外で待機するためのホテルなどの施設が確保されなくなることは、 1 年間に 2,000 万人以上の感染が確認されている現在では、感染拡大を抑える観点からは寄与する度合いは低くなっているとしている。

また、見解では新型コロナウィルスが特措法の対象ではなくなった場合の影響についても検討していて、都道府県知事が行っていた感染対策の呼びかけの法的根拠が失われることで「新型コロナは終わった」とみなされ、必要な感染対策が行われなくなる可能性や、対策本部が廃止されることで、感染力や病原性が著しく上がった新たな変異ウィルスが現れた場合に、迅速な措置ができなくなる可能性があるとした。

さらに、ワクチンに関する対策が縮小される可能性があり、接種の際に自己負担が発生すれば接種率が低下する可能性があると指摘している。

新型コロナの法律上の扱いにかかわらず、今後も感染者がほかの人に感染させないための行動を促すことが必要であること、医療がひっ迫したときに調整を行う機能を維持すること、必要な予防接種ができる体制を維持すること、新たな変異ウィルスによって医療に深刻な影響が出るおそれがある場合には、接触機会を減らす対策を考慮することなどが求められるとしていて、位置づけの変更は必要な準備を進めながら行うべきだとした。

先週、金曜日の感染動向を追う。

1 月 6 日(金曜日)

次回へ・・・。