「真実の口」2,035 After Corona

新型コロナウィルス感染症のパンデミックにより、世界全体が変わった。

3 年超という長い闘いを経て、世界は With Corona という新たな生き方を模索しなければいけなくなった。

しかし、ここ数年間に減っていた感染病が次々と確認されだした。

隣国・韓国では、疾病管理庁によると、今年 1 ~ 4 月、海外旅行ではしか、デング熱、チクングニア熱に感染する人が急増しているらしい。

韓国は、 WHO が認証した麻疹排除の認証( Verification of measles elimination )国である。

麻疹排除の認証は、排除認証の基準に達したサーベイランスの存在とウィルスの遺伝子分析のもとで、その地域における流行株とされた麻疹ウィルスの伝播が最後の症例から少なくとも 36 ケ月間遮断され続けていることを示す公的文書が WHO の設立した麻疹風疹排除認証委員会に精査されることによってなされる。

日本も、 2015 年 3 月に WHO 西太平洋事務局から麻疹の排除状態と認定されている。

韓国でも、海外での感染例はあるが、国内での発生はなく、 2021 ~ 2022 年の発生者は 0 人だった。

しかし、今年は 3 人が感染しているらしい。

はしかは、空気感染する強い呼吸器感染病である。

その他にも、蚊に刺されて感染する病気も増えているらしい。

代表的なものがデング熱、チクングニア熱、マラリア等々・・・。

地球温暖化で蚊の生息地が拡大し、個体数が大きく増え、海外旅行客が増えるにつれ、感染して入国する人も増えているようだ。

デング熱は、デング熱ウィルスに感染した蚊に刺されて感染する疾患である。

急激な発熱で発症し、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などの症状が見られ、通常、発症後 2 ~ 7 日で解熱し、発疹は解熱時期に出現する。

デング熱患者の一部は、まれに重症化してデング出血熱やデングショック症候群を発症することがあり、早期に適切な治療が行われなければ死に至ることがあるという。

デング熱は 1970 年代以前には 9 ケ国だけで発生したが、昨年は 129 ケ国で風土病として定着しているのが現状である。

世界的には、毎年 1 億人以上が感染しているという。

今年 1 ~ 3 月には 38 万人が感染し、 113 人が死亡しているらしい。

日本では・・・。

2014 年に、国内でデング熱に感染したことが確認された患者が報告された。

2016 年には、海外から帰国した方がデング出血熱を発症し、死亡する事例が発生している。

2019 年にも、国内でデング熱に感染したことが確認された患者が報告された。

ベトナム、フィリピン、タイ、インドネシアなどを中心にデング熱が流行している。

これらは日本人の人気海外旅行ランキングの上位に入っている。

チクングニア熱も蚊が媒介体である。

20 年前は、アフリカとアジアの一部の国だけで発生していたが、現在では 110 ケ国で発生しているという。

今年に入り、パラグアイで大規模に発生し、WHO が警報を発令している。

パラグアイ厚生福祉省の発表によれば、今回の流行においてチクングニア熱の感染例(軽い例を含む)は 34,659 人にのぼり、 34 人の死者が確認されている。

世界的には、今年 1 ~ 3 月、約 11 万人が感染し、 43 人が死亡しているようだ。

マラリアは、ハマダラカという蚊を介して、マラリア原虫に感染することで発症する疾病である。

2021 年には、世界 84 ケ国で 2 億 4,700 万人が感染し、 62 万人が死亡している。

日本でも 1935 年頃までは年間数万人の患者が発生していたが、媒介する蚊の撲滅などの結果、現在では海外で感染する、いわゆる輸入マラリア感染患者のみの発生であり、毎年 100 ~ 150 人が報告されているようだ。

海外で流行するマラリアは国内土着マラリアより致命率が高くて危険だといわれているので要注意だ。

細菌性赤痢は、腸内細菌科に属する赤痢菌に感染することで引き起こされる腸管の感染症である。

主に大腸の粘膜に炎症を起こし、ときに潰瘍をつくって、発熱、下痢、腹痛などの症状を引き起こす。

少し古いが、 2016 年には、世界で年間 2 億 7,000 万人が感染し、栄養状態の悪い小児を中心に 21 万人が死亡してると推定されている。

日本では、戦後しばらくは赤痢罹患者数は 10 万人を超えていたが、衛生水準の改善とともに 1965 年半ば頃からその数は激減し、近年発症している細菌性赤痢は、海外から持ち込まれたものが 70% 以上を占めているとされている。

過去 10 年を見てみよう。

2012 年・・・ 215 例
2013 年・・・ 143 例
2014 年・・・ 159 例
2015 年・・・ 155 例
2016 年・・・ 121 例
2017 年・・・ 141 例
2018 年・・・ 268 例
2019 年・・・ 140 例
2020 年・・・ 87 例
2021 年・・・ 7 例

コロナ禍で移動が無い場合は、感染例が少ないのが分かる。

GW でも海外に行かれる方が多くいた。

感染症の流入がしやすくなったということである。

新たなパンデミックに備える必要も出てきたと言うことだろう。