「真実の口」2,081 ‟がん”という病 ㉘~免疫療法編(その2)~

前回の続き・・・。

4⃣ 免疫療法の副作用

‟免疫療法”は、従来の化学療法で起こるような、吐き気や脱毛などの副作用は少ないと報告されているが、「効果が証明された‟免疫療法”であっても、全身にさまざまな副作用が起こる可能性がある。

・個人差が大きく、いつ、どんな副作用が起こるか予測がつかないため注意が必要である。

・治療直後に起こる副作用のほかに、治療が終了してから数週間から数ケ月後に起こるものもある。

・治療を受けてからの期間に関わらず、副作用が起こったときには、それを抑える治療が必要である。

副作用による症状を抑えるために、ステロイド剤や免疫反応を抑える免疫抑制剤を使用することもあるため、‟免疫療法”を行うにあたっては、副作用に十分に対応できる体制が整っていることが大切である。

‟免疫療法”には予測できないさまざまな副作用が起こる可能性があるため、‟免疫療法”を受ける前には、治療を提供する医師に副作用や対策についてよく聞いてく必要がある。

・また、起こるかもしれない副作用の症状を事前に知り、自分の体調の変化に気を配って、治療中や治療後にいつもと違う症状を感じたら、医師や薬剤師、看護師にすぐに相談することも必要である。

【免疫チェックポイント阻害薬の副作用による主な症状】

免疫チェックポイント阻害薬の副作用による主な症状

5⃣ 免疫療法を提供する医師には何を聞けばよいか?

‟免疫療法”は、現在も研究開発が進められている治療法で、治療効果や安全性が証明されていない「効果が証明されていない‟免疫療法”も多く含まれている。

‟免疫療法”が治療の選択肢になる場合には、まず信頼できる情報を集め、わからないことや疑問に思うことは、治療を始める前に‟免疫療法”を提供する医師に質問しておく必要がある。

ⅰ ) 治療効果について

・治療の効果が証明されているのかどうかを聞く。

・特に「自由診療として行われる‟免疫療法”は、効果が証明されておらず、医療として確立されたものではない。

・治療の効果が期待できるかどうかがわからない場合には、その治療を受けないという選択をすることも大切である。

【医師への質問の例】

・この治療(投与量、投与方法)は標準的な治療法ですか?
・これから受けようとしている‟免疫療法”は、多くの人を対象にした臨床試験で効果が証明されたものですか?
・これまでにどのような状態の人にどのような効果があったのでしょうか?
・どのくらいの期間、治療が必要ですか?
・効果が出なかったり、症状が悪くなったりしたときには、どうすればよいでしょうか?
・また、どのように対応してもらえますか?
・今、治療を受けている病院の医師には‟免疫療法”についてどのように伝えればいいですか?

ⅱ ) 副作用と対策について

・効果が証明された方法であっても、‟免疫療法”には全身にさまざまな副作用用が起こる可能性があり、いつ、どのように起こるか予測がつかないため注意が必要である。

‟免疫療法”を受ける前には、治療を提供する医師に副作用や対策についてよく聞いておく必要がある。

【医師への質問の例】

・どのような副作用が起きますか?
副作用が起きたときには、どうしたらいいですか?
副作用が起きたときにも、対応してもらえますか?
・また、対応してもらえない場合には、どこの医療機関を受診したらいいのでしょうか?
・今、治療を受けている病院の医師と連携してもらえますか?

ⅱ ) 治療にかかる費用について

・受けようとしている‟免疫療法”が、保険診療で受けられるかどうか聞いておく。

保険診療で受けられない場合には、公的制度に基づく臨床試験、治験などの「研究段階の医療」に指定されていて、保険外併用療養費制度(※注 1 )が利用できるか確認しておく。

(※注 1 ) 保険外併用療養費制度とは、例外的に未承認薬などの使用と公的医療保険との併用を認める制度のこと。

自由診療として行われる‟免疫療法”の場合は、副作用に対する治療にかかる費用も、全額自費で支払う必要がある。

【医師への質問の例】

・治療は、保険診療で受けることができますか?
保険診療で受けられない場合、臨床試験や治験などの「研究段階の医療」に指定されていて、保険外併用療養費制度が利用できますか?
・治療費は全額自費で支払う自由診療(自費診療)ですか?
・なぜ保険診療保険外併用療養費制度が利用できないのですか?
・自由診療で副作用が起こったとき、副作用の治療のために追加で必要な費用はどのくらいですか?
・治療全体では、どれくらいの費用が必要ですか?

次回へ・・・。