「真実の口」2,146 来るべき大地震に備えて ⑧

前回の続き・・・。

前回は、大阪府が作成した南海・東南海地震の想定被害を紹介したが、ご自身の都道府県でも作成していると思われるのでご自身で一度は見ておいた方が良いかと思う。

例えば、東京であれば・・・。

首都直下地震等による東京の被害想定( 令和 4 年 5 月 25 日公表)

内閣府から、首都及びその周辺地域で過去に発生している地震を元に、 M7 クラスの地震発生が想定されるエリアを発表されている。

首都直下型地震

19 もの地震発生想定エリアがあることに驚くのではないだろうか?

首都直下で発生する地震のタイプは下の図の 6 パターンに分類できるそうだ。

南関東地域で発生する地震のタイプ

この 6 パターンにおける 30 年以内の地震発生確率は以下のようになっている。

想定地震と30年以内の発生確率

30 年以内の地震発生確率が 70% を超えるのは、③ タイプのフィリピン海プレート内の地震と南海トラフ地震となっている。

(1 ) 都心南部直下地震( M7.3 )

都心南部直下地震を、首都機能に対し直接的に大きな影響を与えることに加え、東京の南部に位置する新幹線や空港等の交通網への影響や、木密住宅が密集する地域での火災延焼の危険性から、首都直下地震対策を検討していく上で中心となる地震と位置付け、 被害想定においては、首都直下地震として都内に大きな被害を及ぼす恐れがある地震として選定している。

【震度分布図】
都心南部直下地震の震度分布

( 2 ) 多摩東部直下地震( M7.3 )

フィリピン海プレート内ではどこの場所の直下でも地震が発生する可能性があることを考慮し、今回の被害想定においては、前回想定した多摩直下地震で用いた断層モデルの最大アスペリティ6の中心位置のフィリピン海プレート内に震源を設定し、多摩地域に大きな影響を及ぼす地震として選定している。

【震度分布図】
多摩東部直下地震の震度分布

( 3 ) 都心東部直下地震( M7.3 )

フィリピン海プレート内ではどこの場所の直下でも地震が発生する可能性があることを考慮し、都心東部直下地震を対象地震として選定している。

【震度分布図】
都心東部直下地震の震度分布

( 4 ) 都心西部直下地震( M7.3 )

フィリピン海プレート内ではどこの場所の直下でも地震が発生する可能性があることを考慮し、都心西部直下地震を対象地震として選定している。

【震度分布図】
都心西部直下型地震の地震分布図

( 5 ) 多摩西部直下地震( M7.3 )

奥多摩地域で発生した場合を考慮し、多摩西部に震源を設定することとして、多摩西部直下地震も選定している。

【震度分布図】
多摩西部直下地震の震度分布

( 4) 南海トラフ巨大地震( M9クラス)

島しょ地域への津波の影響が大きいと考えられ、内陸部では長周期地震動による被害が発生する恐れがあるため選定している。

【震度分布図】
南海トラフ地震の震度分布

国の中央防災会議に設置された「南海トラフの巨大地震モデル検討会」では、南海トラフ巨大地震の断層モデル(地震動用: M9 クラス)として、「基本ケース」と、そこから強震動生成域 13 を動かした「東側ケース」「西側ケース」、「陸側ケース」の計4種類を検討し、強震波形計算を実施しているが、強震動生成域の位置や地盤構造等が必ずしも明確ではないため、経験的手法により算出した震度分布も補完的に活用することが適切であるとしている。

そのため、平成 25 年( 2013 年)に都が公表した「南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定」では、東側ケースと経験的手法の震度分布を重ね合わせて各地点で大きな震度を採用した場合(東側ケース+経験的手法)により被害想定が行われている。

南海トラフ地震・東側ケースと西側ケース

上の図で想定される東側ケースとはこのエリアにあたる。

次回、もう少し深く掘り下げてみる・・・。