「真実の口」2,379 サバイバー SeasonⅡ 57 ~ 退院後 ~

前回の続き・・・。

翌日から、出来るだけ早く平常運転に戻すべく体力回復のため、事務所への生き帰りは歩いて行った。

ただ、前回の入退院後より、明らかに体力が落ちていた。

歩く速度も、通常の 半分程度に落ちていたのだろうか?

事務所までの通勤時間も 2 倍まではいかないまでも、結構、時間を要した。

そして、前回は朝から夕方くらいまでは体力が保ったのだが、今回は昼過ぎには仕事を納め、帰宅し安静にしていた。

退院した水~金はこんな感じで一日を過ごした。

月曜が 天皇誕生日の振替休日になっていたため、 3 連休となり、ゆっくり養生することが出来た。

外に出ることもなく、一日をリビングとベッドの往復という過ごし方だ・・・(笑)

翌週、火曜日になり、いつものように事務所へ向かう。

3 日間、ゆっくりと養生したおかげか、身体もずいぶん楽になり、この日は夕方まで体が保った。

この週は、かなり身体も軽くなり、仕事にも左程支障が出なくなった気がする。

事務所までの往復は、体力回復のため、徒歩で行っているが、車の運転を再開。

左右確認、後方確認の際に、左首が突っ張り、若干の支障を来すことに気付く。

3 月 3 日(月)・・・。

この週から、事務所の往復を自転車で行くようにした。

楽だ・・・(笑)。

3 月 6 日(木)・・・。

退院してから、 2 週間経過。

初の検診である。

口腔外科の診察の前に 11 時 30 分から歯科検診が入っていたので、 11 時過ぎに病院に着くように向かう。

この歯科検診は、本来であれば、舌癌除去手術の診察の序に行われる予定のものだった。

それが、リンパ節転移が発覚したため、かなり先延ばしにされたものである。

受付を済ませ、 2 階 22 ブロックの歯科口腔外科へ向かう。

歯科での受付を済ませると、待つことなく、ディスプレイに番号が表示され診察室へ入る。

コンコンコン♪

私:「おはようございます。」

医:「おはようございます。」

診察台へ座る。

医:「ちょっとお時間が空きましたが、お変わりありませんか? 」

私:「特には・・・。」

医:「はい。それでは、口を開けて下さい。」

私:「はい。」

医:「大丈夫そうですね~。」

私:「はい。」

医:「仕上げに衛生士にブラッシングしてもらってください。今回で終了ですので、今後は、かかりつけの歯科医飲に行ってください。」

私:「はい。」

歯科口腔外科の診察を終え、頭頚部外科 2 階 23 ブロックへ向かう。

頭頚部部外科の受付を済ませソファで待つ。

この日は、珍しく多くの人が並んでいた。

待っている人の中には、『電気式人工喉頭』を使って話されている方もいらっしゃった。

『電気式人工喉頭』とは、喉頭がん、咽頭がん、⾷道がんなどで喉頭を摘出された⽅が、代⽤発声として使⽤いする発声補助器具である。

ユアトーン

これはYOURTONE(ユアトーン)と言う器具である。

顎の下周辺に当て、振動を⼝の中へ響かせ、⼝や⾆の動きで振動⾳を⾔葉にして発声することができる。

ユアトーン使用法

声帯を全摘されたミュージシャンのつんく♂さんは、「食道発声法」という手法で声を取り戻している。

「食道発声法」とは、肺でなく胃にためた吸気を逆流させ、食道の一部を振動させるもの。人為的に出したゲップを声にする発声法らしい・・・。

自身ががんに罹る前は、重く受け止めていなかったのだが、自身が同じ病気になると、がんに罹患し、日常生活を取り戻そうとしている人を見ると自身の励みになる。

しばらくすると、私の番号が点灯し、呼び出しのアナウンスが入った。

コンコンコン♪

私:「失礼します。」

◆ :「こんにちは~。佐々田さん。」

私:「こんにちは。」

◆ :「如何ですか~?」

私:「はい。特に、変わったことは・・・。」

◆ :「はい。じゃあ、少し診せて下さいね。」

私:「はい。」

◆ :「ちょっと正面を見て頂けますか?」

私:「はい。」

◆ :「歯を合わせたまま、口を開けて頂けますか?」

私:「はい。」

◆ :「はい。ありがとうございます。次に、閉じてもらえますか?」

私:「はい。」

◆ :「はい。ありがとうございます。次に、左にへの字に曲げられますか?」

私:「はい。」

◆ :「はい。ありがとうございます。次に、右にへの字に曲げられますか?」

私:「はい。」

◆ :「まだ、少し麻痺が残っているようですが、時期に落ち着いてくると思います。」

私:「はい。」

◆ :「今度は左を向いてもらえますか?

私:「はい。」

◆ :「次に右を向いてもらえますか?」

私:「はい。」

◆ :「左側が少し向けにくいですか?」

私:「そうですね~。」

◆ :「これは、どうしてもリンパを取っているんで、残ってしまいますね~。」

私:「ああ・・・。車の運転の時に、左右や後方を確認する時に違和感があるんですよね。」

◆ :「ああ、そうかもしれませんねぇ。」

私:「はい。」

◆ :「完全には元通りにはならないと思いますが、慣れてくれば軽減はすると思います。」

私:「はい。」

◆ :「次に、口の中を診せてもらえますか?」

私:「はい。」

◆ :「少し舌を抑えますよ。」

私:「はい。」

◆ :「え~っって声を出してもらえますか?」

私:「え~っ。」

◆ :「はい。次に、息を吸ってもらえますか?」

私:「はい。」

◆ :「はい。ありがとうございます。順調でしょう。」

私:「はい。」

◆ :「病理解剖の結果の結果も出ているのでお伝えしますね。」

私:「はい。」

PC のカルテにある画像を見せながら・・・。

◆ :「リンパを 36 個取ったんですが、がん細胞は一つだけでした。」

私:「はい。」

◆ :「本当に初期の初期で見つけられたので、他には広がっていなかったようです。」

心の中でガッツポーズをした・・・( *˙ω˙*)و グッ

私:「ありがとうございます。」

◆ :「まだまだ、経過を診ていかなくてはいけませんが、とりあえずは良かったです。」

私:「はい。」

◆ :「次回の検診は、一ケ月後の 4 月10 日にとっておきますね。」

私:「はい。」

◆ :「はい。お大事にして下さい。待合室でお待ち下さい。」

私:「はい。」

次回へ・・・。