「真実の口」373 三度目の被災地入り⑦

前回の続き・・・。

陸前高田市は、大船渡市から車で15分程度の距離である。

市街地(?)へ車を走らせる。

陸前高田市役所・・・。

陸前高田市役所

画像からも解るように、屋上近くまで破壊されていると言うことは、市役所ごと波に呑まれたという感じなのだろう・・・。

街中はこんな感じである。

陸前高田市

水が溜まっているところは、本来は陸地だったところである。

それが、地震の影響で地盤沈下し、海水が残されてしまっている状況である。

かつての街中で、車幅一台分の道路を走っていると、反対側から対向車がやってきた。

仕方がないので、ハンドルを切り、舗装された道路から、かつては家が建てられていたであろう空き地へ車を入れて、対向車をやり過ごした。

対向車が通り過ぎて、ギアをバックに入れるが、タイヤが空回りして、車が動かないではないか・・・( ̄ー ̄?)…..??アレ??

車から降りてみると、見事にタイヤがぬかるみに・・・。

引いて駄目なら、押してみな・・・ということで、今度は前進を試みた・・・( ̄ー ̄?)…..??アレ??

タイヤが空転するばかりで、びくともしない・・・アリエナ━━━━川;゚;Д;゚;川━━━━イ!!

車を降りて、タイヤに咬ませるものを探す。

幸い、近くに板が4枚落ちていた。

板をタイヤの後ろに咬ませて、再度、バックを試みるも、板とタイヤが摩擦する音のみで、ビクともしない・・・。

今度は、タイヤの前に咬ませて、前進を試みたが、空しい摩擦音が響くのみ・・・。

仕方がないので、借りていたニッポンレンタカーへ電話してみる。

しかし、近くに営業所がないので、ロードサービスに電話してくださいと言われた。

やれやれ・・・と落ち込んでいるところへ、弊社役員の佐藤女史から電話が・・・?

なんだか用事があって電話したらしいのでが、その用事は後回しにしてもらい、状況を話して、J△Fの電話を調べてもらうことにした。

待つこと数分、電話がかかってきた、J△Fの番号教えてもらい、早速、J△Fに電話してみた。

状況を話すと、近くに営業所がないため、1時間半はかかるという・・・。

その時の時刻が4時、明るいウチに石巻市へ行きたかったのだが、この状況では、仕方がないので、来てもらうことにした。

受け付けをしている女性の、その後の言葉に憤りを感じてしまった。

J△F:「住所を教えてください」

ニュースでご存知かとは思うが、陸前高田市は壊滅状態で、住所表示が書いてある建物や信号など一切無い・・・。

ナビで現在地を押しても、詳しい表示は出てこない・・・。

私:「先ほど言ったように、陸前高田市なので、見回しても住所表示を確認できるものはありませんが・・・」

J:「住所が解らないと救援に行けないのですが・・・。では、何か目印はありますか?」

私:「陸前高田市の状況をニュースで見てませんか?建物という建物は無いんですよ・・・。」

J:「それでは救援に迎えないのですが・・・」

このやりとりに、溜息を漏らしながら、ナビを見ると、少し距離はあるが、○○小学校という表示がある。

私:「では、とりあえず、○○小学校まで来てください。そこから見えると思います。」

J:「解りました。後ほど、担当のものから状況確認の電話が入ると思いますので、電波の入るところでお待ち下さい。」

○○小学校までは距離があるものの、周囲には視界を遮る建物すらないのである。

1時間半もなにをしようかと考えていたら、地元の人がこえをかけてきた。

地元の人:「ぬかるみにはまった?」

私:「はい」

地:「救援呼んだ?」

私:「一応、J△Fを呼んだんですが、1時間半かかるらしいんです・・・。」

地:「私の車は軽だから、無理だけど、そこの瓦礫を監視している人の車なら何とかなると思うから、助けてもらったら・・・?」

私:「ありがとうございます!」

瓦礫の監視(?)と思いながらも、早速、私は、瓦礫置き場に行ってみた。

そこには、4駆の車両の中で、瓦礫を監視している人がいた。

事情を話すと、「牽引でだしてみようか?」と言ってくれた。

車を移動してもらい、ロープを繋ないで、引っ張ってもらった。

難なく、私の車はぬかるみから出ることが出来た。

そこに、J△Fのスタッフから電話が・・・。

J:「状況を確認したいのですが、車両の位置は道路脇ですか?それとも、中に入り込んでますか?」

私:「地元の方に助けてもらったので、救援は不要になりました。ありがとうございます。」

私は、救援していただいた地元の方に、握手を求めてお礼を言ったのだが、大したことをしていないと言う風な感じで、「気をつけていきなよ~」とあしらわれてしまった。

感謝・・・。

感謝・・・。

帰阪して調べたのだが、J△Fには、住所が不明な場合でも、GPS機能付き携帯電話から、メールあるいは電話で、位置情報(緯度経度)を送信して、位置を特定して、救援を依頼することができるらしい・・・ヽ(*`Д´)ノ

J△Fの彼女は、最後まで、位置を確認しようとしただけだった?

怒りはここで忘れて、次回へ・・・。