前回の続き・・・。
翌朝、オフィスに向かうと・・・?
何やら喧々諤々と作業員等と中兆側でもめているではないか・・・。
陳さんに事情を聴いてみると・・・。
どうやら、中兆側が事前に支払ったお金があり、それで届けられた資材費を出すべきはずなのに、新たに、作業員の親方(?)らしき人が別個に要求したらしく、揉めていたらしいのだ。
事情を呑み込めた私だが・・・。
中国語の理解できない私には、サモ・ハン・キンポーが中華料理店で店主と一悶着起こしている絵面にしか見えなかった・・・(笑)
あっ!
最近の人には、サモ・ハン・キンポーと言ってもご理解いただけないか・・・?
サモ・ハン・キンポー(洪金寶)は、香港出身の映画俳優でもあり、映画監督・アクション監督・脚本家・映画プロデューサーである。
スタントマンから俳優へ転身後は、“あの”ブルース・リー(李小龍)と『燃えよドラゴン』で共演したほどの人である。
サモ・ハン・キンポーにとって、ブルース・リーはあこがれの人で、初対面の際、ブルース・リーが、目にも止まらぬ速さのサイドキックをサモ・ハン・キンポーの顔すれすれで寸止めし、あまりにも強烈な挨拶に腰が引けたという話をしている。
日本で、『燃えよドラゴン』が公開されたのは、1973年12月、しかし、残念ながらブルース・リーはこの年の7月20日、32歳の若さで急逝していた。
当初、中国人が主役の映画なんて当たらないと思われていたのだが、今までに見たことのない技に切れのある功夫(カンフー)映画に長蛇の列ができ、連日満員御礼の大ヒットとなり、日本でも、ブルース・リーは一躍ときの人となっていく。
当時、この映画を見た人は、全員、ブルース・リーになったがごとく、「アチョーッ!」と叫びながら、ヌンチャクもどきを振り回していた。
私も、ご多分に漏れず、空手を始めた・・・通信教育で(笑)。
吉本のネタかい!!
『燃えよドラゴン』は、ハリウッド資本で作られた映画だったのだが、その前にブルース・リー主演により香港で撮られていた『ドラゴン危機一発(1971年)』は、香港の歴代興行記録を塗り替える大ヒットとなり、『ドラゴン怒りの鉄拳(1972年)』、『ドラゴンへの道(1972年)』も大ヒットし、不動のトップスターとなっていく。
ブルース・リーの死後、日本も功夫映画が空前の大ブームとなったのだが、主役は既にこの世にいないため、衰退の道を辿っていく。
サモ・ハン・キンポーは、そんな状況下、映画の武術指導として参加していたのだが、撮影途中でブルース・リーが急逝したため、未完成となっていた作品『死亡遊戯』の武術指導を手掛けることになる。
その後、サモ・ハン・キンポーは、尊敬するブルース・リーへのオマージュとして功夫コメディー『燃えよデブゴン』を製作し、体型からは想像もつかないキレのあるアクションを繰り出し、コメディー&功夫(カンフー)という、新たな分野を築いていく。
我々世代にとって、ブルース・リー亡き後、サモ・ハン・キンポー、ジャッキー・チェン、ホイ3兄弟は香港映画で欠かせない存在だった・・・。
・・・と、すっかり脱線したが、ついつい昔を懐かしむのは、私も歳を取ったのだろうか(笑)
ただ、そのくらい、彼らの会話がドタバタコメディにしか聞こえないくらい、オフィスに響き渡っていたのである。
一段落して・・・。
李さんが話しかけてきた。
以降、勿論、陳さんを介しての会話である。
李:「断熱材にいきいきコートを塗りづらいので、石膏ボードの裏面に塗っても構わないだろうか?」
私:「ん?」
李:「石膏ボードの裏面と表面に塗っても効果は変わらないだろうか?」
私:「ああ、そういう意味ね?石膏ボードの断熱材と触れる裏面と室内側の表面の両面に塗るってことね?」
李:「そうです。」
私:「OK! OK! それがやりやすいなら、それでやってもらって良いよ。」
李:「助かります。昨日、塗ってから乾燥するまでにも時間かかったんで、これで随分やりやすくなります。」
私:「要領いいじゃん!」
李:「はははは・・・(笑)。」
私:「ところで、昨日、頼んでおいた計量カップとスケールと大きめのバケツは準備してくれた?」
李:「はい。ここに・・・。」
見ると立派な電子スケール、計量カップ、そして床にはバケツが置かれていた。
早速、サロン内部の塗り壁材を仕込むことにする。
今回は、サロン内部の壁面を算出後、必要量を作ることにしていた。
今回は、以下、技術を盗まれないように数字および資材に関しては〇で対応する(〇と字数は関係ない)。
私:「まずは糊を〇kg。」
チューブから糊を絞り出す李さん。
私:「次に、〇〇〇〇〇〇〇〇〇を〇㍑。」
すると、李さんが面白い行動を取り始めた。
ホースの片側を〇〇〇〇〇〇〇〇〇に差し込み、もう片側を口にくわえたのである・・・!
おう!
サイフォンの原理だ!!
昔はバイクのガソリンキャップが簡易だったため、こうやってガソリンを抜いていたのである・・。
勿論、私の話ではない・・・ε=┏(; ̄▽ ̄)┛
李さんも、人相から判断すると、絶対、やっていたに違いない・・・( ̄ー ̄)ニヤリ
サイフォンの原理とは、「何らかの液体を、高い位置にある出発地点と低い位置にある目的地点を管でつないで流す際、管内が液体で満たされていれば、管の途中に出発地点より高い地点があってもポンプでくみ上げることなく流れ続ける。」というものである。
中学生くらいでならったと思うのだが、灯油の給油ポンプがサイフォンの原理を利用したものである。
巧みにホースを操り、〇〇〇〇〇〇〇〇〇を計量カップに移していく李さん・・・(笑)
これらをミキシングして・・・。
更に、〇〇〇〇〇を〇Kg。
更に、〇〇〇〇〇を〇Kg。
そして、バイオセラミックが無いということで、前日、私が進呈した〇〇〇セラミックで作った水〇㍑+〇〇〇〇〇〇〇〇〇㍑で作った溶液を混入・・・。
そして、再びミキシング・・・。
私は、別の打ち合わせでしばらく離れていたのだが、李さんがやってきて言うには・・・。
李:「混ざりきらないので水を足して良いですか?」
私:「いやいや。混ざるから、昨日言ったように、少し斜めにしながら根気よくやってみてよ。」
更に、時間経過・・・。
李:「混ざりました。」
私:「でしょ。じゃあ、作業の続きを伝えに行きます。」
李:「是(シー)。」
次回へ・・・。