「真実の口」994 平成27年9月関東東北豪雨から1年・・・前編

青森往訪に関して寄稿していたが、一旦、中断して、別テーマをお届けする。

近年、“線状降水帯”というキーワードが、ニュースや情報番組等で盛んに取り上げられるようになった・・・。

私は、一昨年の『平成26年8月豪雨』における広島県で発生した土砂災害で初めて耳にしたのだが・・・。

広島土砂災害

“線状降水帯”とは、線状に延びる降水帯のことで、積乱雲が次々と発生し、強雨をもたらし、規模は、幅20~50km、長さ50~300kmにも及ぶと言われている。

台風の中心(台風の目)に向かって巻き込むように螺旋状に分布するスパイラルバンドとよばれる降雨帯のうち、中心から200~600km付近にあるアウターバンドが原因になることが多いらしい。

以下、Wikipedia他を参考にしながら抜粋して記載。

– – – – – ここから – – – – –

2014年8月20日午前3時20分から40分にかけて、局地的な短時間大雨によって広島県安佐北区可部、同安佐南区八木・山本・緑井などの住宅地後背の山が崩れ、同時多発的に大規模な土石流が発生。

4時20分頃には同可部三丁目付近で根谷川が氾濫。

行方不明者の捜索は、1ヶ月以上に及び、被災地域での死者は74人、重軽傷者は44人にも上った。

死者74人という犠牲者の数は、国土交通省の発表によると土砂災害による人的被害としては1983年7月に島根県西部で発生した『昭和58年7月豪雨』による87人死亡及び行方不明という災害以来の大きな人的被害となった

– – – – – ここまで – – – – –

また、つい先日、台風10号による影響で、岩手・北海道に甚大な被害をもたらした原因も“線状降水帯”であった。

台風10号による岩手県岩泉町の被害 台風10号による北海道清水町の被害

この被害により、9月11日現在、岩手県では20人の死者・4人の行方不明者、北海道では2人の死者・2人の行方不明者が出ている。

北海道は9日、道内の堤防や道路等の土木施設の被害が519億円、農業関係の被害が59億円、林業への被害が1億円、計610億円に上ると発表した。

先月の台風7号、9号、11号も合わせると、被害額は955億円に膨らみ、被害状況の調査が進めば、被害額はさらに拡大する見込みという・・・。

また、岩手県は10日、土木や農業施設などに計813億9,863万円の被害が生じたと発表した。

ただ、農作物や福祉施設などの被害状況はまとまっておらず、被害総額はさらに増える見通しらしい・・・。

そして、まだまだ、記憶に新しい鬼怒川の決壊から9月10日で一年が経過した・・・。

こんな映像を覚えているのではないだろうか?

鬼怒川決壊

3年続けての“線状降水帯”での甚大な被害となるわけだが・・・。

以下、Wikipedia他を参考にしながら抜粋して記載。

– – – – – ここから – – – – –

9月7日に発生した台風18号は9月9日に東海地方へ上陸。

その後、同日夜、日本海で温帯低気圧へ・・・。

台風18号による直接的被害は大きくなかったのだが、日本海を北東に進む温帯低気圧に、太平洋上から湿った暖かい空気が流れ込み、日本の東の海上から日本列島に接近していた台風17号から吹き込む湿った風とぶつかったことで“線状降水帯”が発生。

関東地方北部から東北地方南部を中心として24時間雨量が300ミリ以上の豪雨とそれに伴う大規模な被害をもたらした。

茨城県常総市付近では10日早朝より鬼怒川の数か所で越水や堤防からの漏水が発生し、12時50分には、同市三坂町で堤防1か所が決壊。

これにより、常総市では鬼怒川と小貝川に挟まれた広範囲が水没。

被災地である茨城県内消防は、10日から19日にかけて地元消防・県内応援隊として、延べ2,043名の消防吏員と延べ10機の消防防災ヘリコプターを投入し、956名を救出。

他県の消防本部からの緊急消防援助隊は、10日から17日にかけて、延べ2,240名の消防吏員と延べ35機の消防防災ヘリを投入して、茨城・栃木・宮城の3県で2,260名を救助。

警察庁は、9月10日から19日にかけて、警察災害派遣隊として延べ2,997名の警察官と延べ34機の警察ヘリを投入して、茨城・栃木・宮城の3県で624名を救助。

海上保安庁は、ヘリコプター17機、特殊救難隊員14名、機動救難士25名を派遣して10・11日の2日間で107名を救助。

防衛省は、3県の県知事から陸上自衛隊施設学校・第6師団、第12特科隊への災害派遣要請を受けて10日から19日にかけて2,069名を救助。

災害から約1ヶ月後の10月5日に公表された集計で確認された死者は8名、負傷者79名、家屋の全壊75棟、半壊3851棟、一部破損95棟、床上浸水7,716棟、床下浸水13,261棟、非住家被害は104棟となっている。

– – – – – ここまで – – – – –

度重なる災害により、各省庁、都道府県の救助や支援に対するレベルは確実にアップしているように感じる。

褒め称えるべきことなのだろうが、災害がなければ、それに越したことがないので、ある意味複雑な思いがする。

昨年、延々50回にものぼり寄稿してきた環境回復農法~技術指導編~の間に起こった『平成27年9月関東東北豪雨』なのだが、その際、鬼怒川決壊後の常総市に訪れ、一年後にあたる一昨日9月10日にも常総市へ行ってきたので、当時とその後について寄稿させて戴く。

次回へ・・・。