「真実の口」1,469 新型コロナウィルス・・・⑨

前回の続き・・・。

2 月 16 日、新型コロナウィルスに感染した疑いのある乗客がいるとして、日本などが入港を認めず、その後、カンボジアの港に入港したクルーズ船「ウエステルダム号」の乗客だったアメリカ人 1 人が、新型コロナウィルスに感染していることが確認される。

感染が確認されたのは、 83 歳のアメリカ人の女性で、女性はクルーズ船が入港したカンボジアのシアヌークビルで 14 日に船を下りたあと、マレーシアの首都クアラルンプールに移動した際、空港の検疫で感染が疑われ、検査の結果、感染が確認されたということらしい。

カンボジア当局によれば、 17 日午後、カンボジアから先へ移動するための旅客機を待つウエステルダムの乗客の一部に、首都プノンペンでバスツアーを提供したという。
カンボジア政府によるウエステルダム号乗客のバスツアー接待
カンボジアは中国と親密な同盟国で、毎年巨額の経済支援を受けており、医療体制が不十分だが、当局にとって健康リスクは二の次という裏事情もあったようだ。

マレーシア当局発表によると、 17 日には、感染が確認された女性と同じ旅客機を利用した乗客 130 人以上がすでに米国、欧州、オーストラリア、香港に向かったらしい・・・。

2 月 17 日、新たに新型コロナウィルスに関する検査結果が判明した 504 名のうち、99 名(うち無症状病原体保有者 70 名)について新型コロナウィルスの陽性が確認され、感染症病棟を有する医療機関等に搬送予定。

陽性が確認されたのは、延べ 1,723 名の検査中 454 名(うち無症状病原体保有者延べ 189 名(※))となった。

(※) 16 日時点の 111 名に本日結果が判明した 70 名を加え、さらに既に判明していた香港で下船した陽性患者との濃厚接触者 8 名を加えている。

同日、午前 7 時ごろ、アメリカ政府が用意したチャーター機 2 機で、乗客約 328 人が帰国の途に就き、乗客は到着後、 2 週間、カリフォルニアとテキサスの基地で隔離される予定。

アメリカ国立衛生研究所( NIH )によると、 44 人から新型コロナウィルスの感染が確認されたため、感染者は、帰国を許さず、日本国内で治療にあたらせるらしい。

アメリカ国籍の乗客は、 380 人と言われていたので、残り 8 人(?)は、そのまま船にとどまった計算になる。

声:「ウダウダ言うなら全部引っ連れて帰れよ!」

アメリカ・メディアが「船内に閉じ込められた数百人を救出」などと報じる中、船に残られた弁護士夫妻のコメントが的を射ていて実に気持ちがいい・・・(笑)

米紙ニューヨーク・ポストによると、その夫妻は弁護士のマシュー・スミスさんと妻キャサリンさん。

マシューさんが言うには・・・。

「来週いっぱいまでここにいる。検査を受けるんだけど、結果は陰性だと思うよ。米政府にはとても失望した。(このタイミングで集団移動させることは)せっかくダイヤモンド・プリンセス号の船内で確立してきた検疫体制を妨害する行為だ。帰国希望者の中には、ウィルス感染者がいる可能性があり、狭い機内に長時間同乗することは感染につながるものだ。また、帰国者の中にはまだ検査を受けていない人たちが多く、到着後はそんな人たちと検疫で 2 週間も一緒にされるというんだ。全く意図が分からない。」

真っ向から、米政府の対応を批判している。

米国務省によると、帰国希望者は米国内の空軍基地に到着後、ウィルス検査を受け、陰性であることが確認された人は 2 週間後の 3 月 4 日に入国が許可されるとしている。

一方、マシューさんは毎日、夫妻の客室からその日に提供された食事や生活ぶりについてツイッターで報告し、単調な生活をユーモアたっぷりにツイートしているそうだ。

同日、午後 4 時半ごろ(日本時間)、 1 機はカリフォルニア州の米軍基地に到着し、もう 1 機はテキサス州にまもなく到着する予定というころ、アメリカ国務省は、出発直前に感染が確認された 14 人が、このなかに含まれていることを明らかにし、機内で適切な隔離処置を施すことで予定どおりの出発を決定したということらしい・・・。

『船長と日本の保健当局からの公式発表:私たちはすぐにテストされ、テスト結果が陰性であれば、 19 日から船を降りることができます。』

どうやら、帰国した米国人が 2 週間の隔離を余儀なくされる中、無事、下船ということになるらしい・・・(笑)。

2 月 18 日、厚生労働省より、『横浜港で検疫中のクルーズ船の乗客の健康観察期間終了に伴う下船について』から公表された指針だ。

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2 月 3 日に横浜港に到着し、現在着岸検疫を実施中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」については、 2 月 5 日の朝以降、感染が拡大することのないよう乗客全員の自室での待機をお願いし、健康観察を行っております。これまで、横浜港到着時に乗船していた乗客のうち、入院加療が必要な方、新型コロナウィルスへの感染が確認された方、高齢の方、基礎疾患を有する方等を含む一部の乗客が、検疫法第 5 条第 3 号に基づき、緊急やむを得ないと認められ、検疫所長の許可を受け、下船したところです。

健康観察の開始から 14 日目となる 2 月 19 日までの間、発熱・呼吸器症状等の症状がなく経過し、ウィルス検査で『陰性』であることが確認された乗客については、WHO において健康観察の対象とすべき期間が 14 日間とされていること等を踏まえ、新型コロナウィルスに感染しているおそれはないことが明らかであることから、 2 月19 日、検疫法第 5 条第 1 号に基づき、検疫所長から順次上陸が許可され、下船し、日常の生活に戻ることができるものと考えています。

【参考】検疫法(昭和 26 年法律第 201 号)(抄)

(交通等の制限)
第 5 条 外国から来航した船舶又は外国から来航した航空機(以下「船舶等」という。)については、その長が検疫済証又は仮検疫済証の交付を受けた後でなければ、何人も、当該船舶から上陸し、若しくは物を陸揚げし、又は当該航空機及び検疫飛行場ごとに検疫所長が指定する場所から離れ、若しくは物を運び出してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一、検疫感染症の病原体に汚染していないことが明らかである旨の検疫所長の確認を受けて、当該船舶から上陸し、若しくは物を陸揚げし、又は当該航空機及び検疫飛行場ごとに検疫所長が指定する場所から離れ、若しくは物を運び出すとき。
二、(略)
三、緊急やむを得ないと認められる場合において、検疫所長の許可を受けたとき。

※クルーズ船から搬出される荷物の安全性について
現在のところ、ウィルスが見つかった場所から積み出された物品との接触から人が新型コロナウィルスに感染したという疫学的情報はありません。 WHO も、一般的にコロナウィルスは、手紙や荷物のような物で長期間生き残ることができないとしています。

2 月 18 日、新たに新型コロナウィルスに関する検査を実施し、結果が判明した 681名のうち、 88 名(うち無症状病原体保有者 65 名)について新型コロナウィルスの陽性が確認され、感染症病棟を有する医療機関等に搬送予定。

陽性が確認されたのは、延べ 24,404 名の検査中 542 名(うち無症状病原体保有者延べ 254 名)となった。

同日、検査において確認された無症状病原体保有者 24 名及び乗船していたそれらの方々のご家族・同行者 8 名について、国からの要請を受諾した 4 月 1 日開院予定だった藤田医科大学の岡崎医療センター(愛知県岡崎市)へ搬送。

2 月 19 日未明、韓国政府が派遣した大統領専用機は羽田空港を出発し、午前 6時半ごろにソウルの金浦(キンポ)空港に到着。

クルーズ船にいた韓国人の乗客乗員 14 人のうち帰国を希望した 6 人と日本人配偶者 1 人が専用機に乗ったとのこと。

この 7 人は今のところ、感染が疑われる症状はないが、仁川(インチョン)にある施設で 2 週間、隔離されるらしい。

同日、午前 2 時過ぎ、藤田医科大学の岡崎医療センターバスへバスで搬送されていた 32 人が到着し、到着後の検査の結果、このうち男女 4 人に肺炎の症状がみられたため、県内の指定医療機関に搬送予定。

同日、新たに新型コロナウィルスに関する検査を実施し、結果が判明した 607 名のうち、 79 名(うち無症状病原体保有者 68 名)について新型コロナウィルスの陽性が確認され、感染症病棟を有する医療機関等に搬送予定。

陽性が確認されたのは、延べ 3,011 名の検査中 621 名(うち無症状病原体保有者延べ 322 名)となった。

同日、陰性と診断された乗客 443 人が下船。

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【厚生労働省より】

国民の皆様へのメッセージ

〇国民の皆様におかれては、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様にお一人お一人の咳エチケットや手洗いなどの実施がとても重要です。感染症対策に努めていただくようお願いいたします。

〇次の症状がある方は「帰国者・接触者相談センター」にご相談ください。
・風邪の症状や 37.5℃ 以上の発熱が 4 日以上続いている。
(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。
※ 高齢者や基礎疾患等のある方は、上の状態が 2 日程度続く場合
センターでご相談の結果、新型コロナウィルス感染の疑いのある場合には、専門の「帰国者・接触者外来」をご紹介しています。マスクを着用し、公共交通機関の利用を避けて受診してください。

【多くの方が集まるイベントや行事等の参加・開催について】
〇多くの方が集まるイベントや行事等に参加される場合も、お一人お一人が咳エチケットや頻繁な手洗いなどの実施を心がけていただくとともに、イベントや行事等を主催する側においても、会場の入り口にアルコール消毒液を設置するなど、可能な範囲での対応を検討いただけますようお願いいたします。

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次回へ・・・。