「真実の口」2,245 サバイバー ④

前回の続き・・・。

2 F 23 番へ家内と向かう。

大阪国際がんセンター 2F 案内図

頭頚部外科受付にて・・・。

私:「(受診票)を渡しながらよろしくお願います。」

受:「はい。お名前を確認しますのでフルネームでお願いします。」

私:「ささだきょういちです。」

受:「誕生日もお願いします。」

私:「 1964 年 3 月 17 日です。」

受:「では、■■ 番の診察室からお呼びしますので、こちらの問診票に回答していただいて、診察室の前でおかけになって待ち下さい。」

私:「はい。」

診察室前の椅子には数人がかけていた。

皆、家族を伴っている。

問診票を書きながら・・・。

私:「一日のアルコール摂取量だってさ(笑)。」

家:「書く単位があるん?(笑)。」

私:「ああ、日本酒何本とかいう書き方やから大丈夫やわ(笑)。」

待つことしばし・・・。

9 時 40 分位。

看護師:「 〇〇〇 番の方、 〇〇〇 番の方~。」

私:「はい。」

受診票を見せながら・・・。

看:「お名前に間違いないですか?」

私:「はい。」

看:「問診票はお書きになりましたか?」

私:「はい。」

看:「お預かりします。」

看:「今日はおひとりですか?」

私:「いえ、家内と一緒に。」

看:「はい。」

私:「診察室へは一緒に入った方が良いんでしょうか?」

看:「一緒にお聞きになられるのであればその方が良いと思います。」

私:「わかりました。」

看:「番号で呼ばれますので、呼ばれたら診察室へお入り下さい。」

それから間もなく・・・。

電光掲示板にポーンという音と伴に、 〇〇〇 番と掲示され、「 〇〇〇 番の方、 ■■ 番へお入り下さい。」とアナウンスが入る。

予約時間の 10 時より前である。

声:「待たされないのは助かるなあ・・・。」

ノックして、診察室のドアを開ける。

私:「おはようございます。」

医:「佐々田さんですね。医師の◎◎です。よろしくお願いします。」

私:「よろしくお願いします。」

医:「こちらへおかけ下さい。」

私:「はい。」

医:「まずは口の中を診ますね~。口を開けて下さい。」

私:「はい。」

医:「舌を上にあげて下さい。」

私:「・・・。(指示に従う)」

医:「舌を前に出して下さい。」

私:「・・・。(指示に従う)」

医:「舌を右に寄せて下さい。」

私:「・・・。(指示に従う)」

医:「舌を左に寄せて下さい。」

私:「・・・。(指示に従う)」

医:「はい。ありがとうございます。次に、写真を撮ります。」

私:「はい。」

医:「舌を上に付けて下さい。」

私:「・・・。(指示に従う)」

医:「舌を上に付けながら左に寄せられますか?」

私:「・・・。(指示に従う)」

医:「はい。次に、舌を上に付けながら右に寄せられますか?」

私:「・・・。(指示に従う)」

医:「はい。ありがとうございます。舌を前に出して下さい。」

私:「・・・。(指示に従う)」

医:「はい。舌を前に出しながら右に寄せられますか?」

私:「・・・。(指示に従う)」

医:「すいません、もう少し前に出して自分で舌を抑えられますか?」

私:「・・・。(指示に従う)」

声:「自分の舌を持つのなんて人生初だな・・・(笑)。」

医:「はい。次に、左に寄せて下さい。」

私:「・・・。(指示に従う)」

医:「同じように、舌を抑えて下さい。」

私:「・・・。(指示に従う)」

医:「はい。ありがとうございました。次に、舌を触りますね。痛かったら教えて下さい。」

私:「はい。」

医師が私の舌を触診する。

医:「ここは痛くないですか?」

私:「(舌を出したまま)いいえ・・・。」

医:「ここはどうですか?」

私:「(舌を出したまま)いいえ・・・。」

医:「はい。ありがとうございました。」

医師は PC のカルテに症状を書き込み始める。

私:「昨日の昨日まで、全く腫瘍に気付いていなかったんです。」

医:「そうなんですね。」

私:「歯に物が挟まった時に取ろうとしたら痛い程度だったもんで・・・。」

医:「はい。」

医師は更にカルテに書き込む。

私:「佐々田さん。詳しく検査をしなければはっきりとは言えませんが、経験上、がんだと思います。」

私:「はい。」

この時の私は明鏡止水の心境だった。

明鏡止水

1996 年 1 月、私が 31 歳の時に母を多臓器がんで亡くし・・・。

2013 年 11 月、父が医がんで胃の全摘手術を受け・・・。

2023 年 8 月、兄が 63 歳の若さでがんで他界・・・。

母方の祖母も、伯父も伯母も、叔父も叔母も、皆、がんで亡くなっている。

抗酸化工法の家に住んで抗酸化工法の職場で仕事をし、抗酸化のどぶ漬けの生活をしていても DNA には抗えないようだ(笑)。

日本では 2 人に 1 人ががんにかかり、 3 人に 1 人ががんで死亡するといわれているのだから、がん家系の私ががんになるのは当然と言えば当然であろう。

病気の中の一つくらいの感じで、ありがままを受け入れ、左程のショックもなかった。

次の一手は、如何にしたら良いかを早く聞きたかったと言うのが本音だった。

医:「ステージとかを気にされる方がいらっしゃるので、先に伝えますが、ステージ Ⅱ です。」

私:「はい。」

医:「基本は、腫瘍の部位の切除術になります。」

私:「はい。」

医:「ただ、触診した感じだと他にしこりはしなさそうです。リンパの方も腫れはないようですが、これから詳しい検査をしていかなければはっきりとは言えません。」

私:「はい。」

医:「 CT 、 MRI 、PET 、組織検査、胃カメラ等々の検査の予約を入れていきます。」

私:「はい。」

医:「今日、受けられる診査はこれから受けていって下さい。」

私:「はい。」

医:「その他の予約が必要な検査は、改めて、ご案内します。」

私:「はい。」

医:「何かご質問はありますか?」

私:「写真で改めてみると、大きさが分かるんですけど、どのくらい前に出来ていたんですかね?」

医:「多分、この大きさだと。 3 ケ月くらい前じゃないですかね~。」

私:「ああ。全く気付かなかったな~。」

医:「奥様は何かありますか?」

家:「いいえ。特には・・・。」

医:「では、待合室でお待ち下さい。」

私:「はい。」

次回へ・・・。