「真実の口」2,349 サバイバー SeasonⅡ㉞ ~入院 5 日日 ⅴ ~

前回の続き・・・。

二人が出ていき、暫くして、入れ替わりに家内と三女がやって来た。

家:「どう?」

私:「まあ、可もなく不可もなく・・・(笑)。」

三:「 ## ちゃんと $$ ちゃん大丈夫だった?」

私:「うん?なんでや?」

三:「だって、お父さんの痛々しい姿観るの苦手そうやん・・・(笑)。」

私:「ああ・・・。確かに腫れ物に触るような目で見とったが、普通やったよ(笑)。」

三:「なら、良かった・・・。」

家:「これ頼まれてたやつ。」

私:「ああ・・・。ありがとう・・・。」

家:「冷蔵庫とタンスに入れとくね。」

私:「うん。頼む。」

家:「あれ?これは?」

着替えの後、看護師さんに分かりやすいように、脱いだ術衣をタンスの上から垂らしかけていたのである。

私:「ああ・・・。来ていた術衣。脱いだ後、片づけてくれるかなと思ったんやけど、なんかそのまんま・・・(笑)。」

家:「ふ~ん。」

私:「まあ、そのうち持っていてくれるやろ。」

家:「それとこれ、撮っといたよ。」

家内がスマートフォンを差し出す。

私:「おう!サンキュー!!」

これがその写真である。

腫瘍切除部

そう・・・、切除された腫瘍部の写真である。

グロいのでモザイクをかけさせて頂いた。

家内によると、端から端まで約 10cm 位が切除されたようだ。

家:「生検(※注 1 )に回してがん細胞がどれくらいあったか調べるんだって・・・。」

(※注 1 ) 生検( Biopsy :バイオプシー)とは、生体組織診断のことで、体の病変が疑われる部分から組織や細胞を採取し、病理医が顕微鏡で観察して病変の性質を診断する検査のこと。がんや腫瘍の良性・悪性の判定、がんの種類(組織型)や悪性度の把握を行うことが出来る。

私:「ああ・・・。」

家:「入院中に分かるって言ってたよ。」

私:「うん。ありがとう。」

この後、しばし雑談をして、家内と三女は病室を後にした。

とりあえず、家族 4 人と顔を合わせて、ホッとした・・・。

窓から夕景を観ていると、声がした。

2月11日・夕景

配:「夕食をお持ちしました。」

私:「ああ・・・。ありがとうございます。」

配:「こちらで良いですか?」

私:「はい。お願いします。」

2月11日・夕食

2 日ぶりの食事である。

何と言うことか、メニューが撮れていず、 2 日後のリクエスト用紙の方を撮っていた。

≪メニュー≫
全粥 330g
鶏肉と大根おろしのさっぱり煮
小松菜とあげのお浸し
スパゲティサラダ
果物 バナナ

・・・こんな感じだろうか?

食事の前に例の“ ○○○○ ”と“ xxxx ”を摂る。

前回と違い、舌の切除じゃないので、食べにくいことはない。

食事を終え、膳を下げるためにベッドを降りる。

“お友達”をベッドの柵から外し、点滴スタンドに吊るしていく。

準備が出来、トレーを持って廊下に出て、下膳カートへ向かおうとしたら看護師さんに声を掛けられた。

看:「佐々田さん。下げなくて大丈夫ですよ。」

私:「はい?」

看:「点滴をつないでいるときは危ないので私たちが下げますのでそのままにしておいて結構ですよ。」

私:「ああ・・・、そうなんですか?」

看:「はい。」

声:「確かに、片手でトレーをもって、結構重い点滴スタンドをゴロゴロしていくのは危ないかもな・・・(笑)。」

私:「ありがとうございます。じゃあ、お願いします。」

看:「はい。」

看護師さんにトレーを預け、部屋に戻る。

点滴スタンドから、“お友達”を外し、ベッドの柵へ取り付け直す。

結構、不便である・・・(笑)。

食事後、しばらくして尿意と便意を覚える。

先ほどと同様に、“お友達”をベッドの柵から外し、点滴スタンドに吊るしていく。

トイレに入るのだが、点滴スタンドまでは中に入れることは出来ないので、スタンドは外にある状態である。

点滴のチューブは長いからそのままで良いのだが、“お友達”のチューブはそこまで長くない。

便座に腰かけながら、”お友達”をベストな位置に調整する。

導尿カテーテルを外して、初めての排尿だが、痛みもなく用を足すことができた。

便もわずかだが、排便することが出来、若干、黒っぽかったが、これは、前回経験済みである。

20 時過ぎに看護師さんがやって来た。

看:「佐々田さん。こんばんわ~。夜間担当の %# です。よろしくお願いします。」

私:「はい。こんばんわ~。」

看:「ちょっとチェックしますね~。」

ドレーンをチェックする。

看:「オシッコとか排便はどうですか?」

私:「ああ・・・。食後に、どっちも出ました。」

看:「出血とかはなかったですか?」

私:「はい。便は少し黒かったですけど・・・。」

看:「血液が固まったものなので大丈夫ですけど、続くようでしたら教えて下さいね。」

私:「はい。」

看∶「シャワーがまだなので、身体拭きましょうか?」

私∶「ああ。お願いします。」

看∶「タオルはどこにあります?」

私∶「タンスの中の紙袋にはいっているとおもいます。」

看∶「これで良いですか?」

私∶「はい。」

タオルを洗面台のお湯につけ・・・。

看∶「じゃあ、拭いていきます。」

私∶「はあ。」

一通り拭いてもらって・・・。

看∶「如何ですか?」

私∶「ありがとうございます、スッキリしました。」

看∶「良かったです。」

看護師さんが部屋を出ていく。

声:「あっ!術衣のこと言うの忘れていた。」

実は、この後、術衣はタンスに垂らしかけたままだと邪魔なので、タンスの上置いといたのだが、退院まで同じ位置で眠っていた。

この日は、隣室からのえずく声やフロアからの痛みに耐える声、計器の音、金属音に悩まされることなく消灯前に眠りについた・・・。

次回へ・・・。