前回の続き・・・。
転寝をしていると、看護師さんから声が掛かった。
看:「佐々田さん。お迎えに来ました。」
私:「・・・。」
看:「病棟に帰ります。」
私:「ああ、はい。よろしくお願いします。」
看護師さんに伴い、ベッドのまま移動させられる。
エレベーターで 12 階のなでしこ病棟へ戻る。
今回は、前回と違い、病室の移動がなかったようだ・・・(〃´o`)=3 ホッ
看:「はい。お疲れ様でした。」
私:「ありがとうございます。」
看:「血圧等のチェックをしますね~。」
私:「はい。」
血圧、パルスメーター、体温と小気味良く調べていく。
看:「はい。大丈夫です。」
私:「はい。」
看:「最後にドレーンのチェックをしますね。」
私:「はい。」
前回、ドレーンに関して少しだけ触れたが、もう少し詳しく解説してみる。
ドレーンとは、体内に貯留した血液・膿・浸出液を体外に排出する医療行為を「ドレナージ」といい、その際に使用する管のことを「ドレーン」という。
頭頸部は、腹腔や胸腔のような腔の構造ではなく、術後の血液や滲出液が貯まるスペースがないように思われがちだが、唾液腺手術・喉頭全摘術、耳下腺手術・頸部リンパ節郭清術・甲状腺手術といった頭頸部外科で行われる手術の術後においては、ドレーンは合併症の予防・早期発見するために重要となるようだ。
特に私が受けたリンパ廓清術では、スペースに余裕がないため、少量の出血が起こっても皮下や組織間隙に血腫が生じやすくなるそうだ。
手術では当然、十分な止血が行われるが、閉創後も微少な出血はどうしても起こりうる。
さらに、麻酔覚醒後の血圧上昇や体動により、それらの量は増加する。
これらの血液を予防的ドレナージによって体外へ排出し、血腫の形成を防ぐことが必要となるそうだ。
また、腫瘍の摘出やリンパ節郭清によって、組織が切除された部位や血腫が生じた部分には“死腔”が生じやすいらしい。
“死腔”は“しくう”と読み、気道のうち血液とガス交換を行わない部分のことらしいのだが・・・?
これだけでは意味が分からない・・・(笑)。
単純に言うと、同じ量の空気を吸っても、死腔が増えると、血液とガス交換に無関係の空間になるわけだから、血液とガス交換してくれる空気が減るというわけである。
その結果、二酸化炭素が外に出にくくなり、血中の二酸化炭素分圧が上がりやすくなる。
ひいては、呼吸がしづらくなるというわけである。
特に、顎下部や鎖骨上窩に生じやすく、“死腔”は「感染」や「膿瘍形成」の原因にもなり、頸動脈周囲に感染が波及すると「血管破綻(※注 1 )」を起こすことにもなるそうだ。
(※注 1 ) 血管破綻とは、血管壁が損傷または破れ、血液が異常に流入する状態を指し、特に動脈硬化プラークの破裂やびらんによって血栓が形成されることを意味する。
喉頭全摘や遊離空腸再建のような咽頭粘膜縫合を行う手術では、縫合部周囲に死腔が生じると「咽頭瘻孔(※注 2 )」の原因となりうるらしい。
(※注 2 ) 咽頭瘻孔(いんとうろうこう)とは、咽頭と皮膚の間に異常な通路が形成される状態を指し、この状態は、手術(特に喉頭全摘出術)や放射線治療の後に発生することが多い。瘻孔が形成されると、経口摂取した食物や唾液が首の外側に漏れ出すことがある。
(イメージ図)

閉鎖式ドレーン(※注 3 )と低圧持続吸引システム(※注 4 )を用いて、創部内を陰圧に保ちつつ排液を行い、組織間を密着させながら死腔を生じないように治癒させることが重要となるそうだ。
(※注 3 ) 閉鎖式ドレナージは、ドレーンが排液バッグに接続されていて、外界との接触を作らない方法で、外気に触れることによる逆行性感染のリスクがなく、排液量を正確に測定できる点がメリットだが、反面、ドレーンが排液バッグから抜けないよう、患者さんの動きを制限する必要がある。これに対し、開放式ドレナージは、ドレーンが体表に出たところで切断され、排出口が外界に開放されている方法で、排液は基本的にガーゼで吸収するため安易である。
(※注 4 ) 機械・バネ・風船の力を利用して陰圧をかけ、持続的に陰圧をかけることで血液や浸出液などを排出する方法。
ドレーンの重要性はご理解できただろうか?
そして、看護師さんは、ドレーンから排液採取を行い、排出量・色・性状などの変化を確認し、排液の変化によって、異常の早期発見につなげるというわけだ。
正常な廃液は、以下のように変化していくそうだ。

怖いのは、以下のような色に変わったときらしい。

リンパ廓清術の場合、廃液の量が 10ml 程度になるのが、ドレーン抜去の目安となるそうだ。
つまり、ドレーンが早く取れるかどうかで、退院出来るかどうかが決まるというわけだ。
看護師さんは、毎回、マジックで現在の量のところにチェックを入れていく。
まあ、こんな感じである。

これが、寝ても覚めても、身体に繋がれているわけだ。
移動中は、こういうスタイルになる。

そして、四六時中一緒にいる“コレ”を私は“お友達”と名付けた・・・(笑)。
何故か、この“お友達”が看護師さんの間で広まり、私のところに来る看護師さんはドレーンの確認のことを「お友達確認しますね」というようになってしまった・・・ヾ(≧▽≦)ノギャハハ☆
話を戻そう。
看:「はい。大丈夫です。」
私:「はい。」
看:「何かありましたら、ナースコールで呼んで下さいね。」
私:「はい。」
看:「ドアは緊急時の対応のためか開けておきますね。」
私:「はい。」
看護師さんが病室を出ていく。
家内に LINE だけ入れておく。
LINE・私:「病棟に戻ったよ。」
取り敢えず、病室に戻り、気持ちも落ち着いたので身体を休める。
次回へ・・・。











