「日本のコロナは 11 月以降に消滅、第 3 波も来ない!!」
この表題を見てどのように感じるだろうか?
これはシルバーウィーク明けの 9 月 28 日に NEWS ポストセブンで配信された記事である。
NEWS ポストセブンとは、雑誌『週刊ポスト』と『女性セブン』の記事をネットに適した形に再編集したコンテンツに加え、独自の取材・切り口で編集したオリジナル記事を配信する総合ニュースサイトである。
日本人はすでに新型コロナウィルスを克服した──。
京都大学大学院特定教授の上久保靖彦氏が、吉備国際大学教授の高橋淳氏と 3 月に発表した、新型コロナウィルスに関する論文が、再び、話題を集めているそうだ。
上久保特定教授に関しては、以下の寄稿でも登場した御仁だ・・・。
論文を要約すると・・・。
「すでに多くの日本人は免疫を獲得しているので、新型コロナウィルスを恐れる必要はない。」
というのだ・・・( ̄へ ̄|||) ウーム
「日本人は新型コロナを克服した説」の最大のポイントは「集団免疫の獲得」だそうだ。
ウィルスに感染すると、体内の免疫システムが働いて「抗体」ができ、その後、同じウィルスに感染しにくくなったり、重症化を防いだりする。
そうした抗体を持つ人が人口の 50 ~ 70% を占めるとウィルスが人から人へ移動できなくなり、やがて流行が終息する。
これが集団免疫なのだが・・・?
日本は各国と比べて新型コロナの感染者、重症者、死者が極めて少ないのは事実である。
「日本の奇跡」──世界からそう呼ばれる背景に集団免疫があると指摘するのが、感染症・免疫の専門家でもある前出の上久保特定教授だ。
上久保特定教授が言うには・・・。
「新型コロナは最初に中国で弱毒の S 型が発生し、その後に弱毒の K 型、強毒の G 型の順に変異しました。
中国人観光客の入国によって昨年 12 月に S 型が日本に上陸し、今年 1 月中旬には K 型がやって来た。
しかも日本は 3 月 8 日まで中国からの渡航を制限しなかったため約 184 万人の中国人観光客が来日し、 S 型と K 型が日本中に広がりました。
それにより、日本人は知らない間に集団免疫を獲得したのです。」
弱毒の S 型と K 型にセットで罹ることにより、その後に流入した強毒の G 型の免疫になった──という理屈らしい。
一方、 2 月初頭から中国人の渡航を厳しく制限した欧米では、 K 型が充分に広まらなかった。
「そのため、中国・上海で変異した強毒性の G 型が欧米に流入した際に防御できず、同地で重症者が激増しました。
対する日本は集団免疫ができていたため、 G 型が流入しても被害が少なかった。
私たちの試算では現在、日本人の 85% 以上が免疫を持っています。」
「上久保理論」を後押しするのが、免疫を獲得したことを示す“ IgG 抗体”を保有する人の割合らしい・・・。
「私たちの共同研究チームが 10 ~ 80 代のボランティア約 370 人の抗体検査をしたところ、全員が IgG 抗体を持っていました。
ちなみに IgG 抗体を持つ人でも、喉にたまたまウィルスがいれば PCR 検査で陽性になりますが、免疫があるため症状はほとんど出ません。
最近目立つようになった無症状の感染者は、そうしたケースであると考えられます。」
この秋以降、新型コロナとインフルエンザの「ダブル流行」を心配する声もある。
これに対して、上久保特定教授が言うには・・・。
「インフルエンザに感染したら、コロナウィルスには感染しません。
逆もまたしかりで、この逆相関関係を『ウィルス干渉』と呼びます。
実際、昨年末に新型コロナが流入してから、インフルエンザの流行はストップしました。
しかも、人間の細胞にくっついて影響を与えるウィルスの突起(スパイク)の変異可能な数は最大 12 ~ 14 回で、頻度は月 1 回ほど。
新型コロナの S 型が発生したのは昨年 12 月なので、早ければ 11 月にも最後の変異を終えて、普通のコロナウィルスに戻るとみられます。
それはコロナウィルスの原則的なメカニズムと考えられることなのです。
新型インフルエンザが流行しない場合は、新型コロナが 11 月以降に消滅して、第 3 波が到来することはないでしょう。」
上久保特定教授に言わせると、日本人は、新型コロナを KO 間近と言うことらしい・・・?
この説を唱えるのは、上久保特定教授だけではないようだ・・・。
集団免疫のほかにも「コロナ克服」を示唆するさまざまな研究が出ている。
アメリカと中国、香港の研究機関が 9 月に公表した共同研究では、世界各国における新型コロナ第 1 波と第 2 波の致死率を比較した。
すると 53 ケ国のうち 43 ケ国で致死率が低下していたそうだ。
医療経済ジャーナリストの室井一辰氏の説明では・・・。
「致死率低下の理由として、第 1 波で免疫力が低い人が亡くなったので第 2 波で亡くなる人が少なくなったという『弱者刈り取り効果』や、医療体制の整備、ウィルスの変異、若い世代の感染者増などがあげられています。論文は新型コロナの状況が明らかに変化したことを示唆しています。」
・・・ということらしい。
「ウィルスの変異」
果たして、そうなのだろうか?
室井氏によると・・・。
「現在、流行しているのは、感染力が強い新タイプのウィルスです。
一般的にウィルスは“覇権争い”をすることがあり、あるウィルスが流行すると、ほかのウィルスが圧倒される。
現状、新しいタイプの新型コロナウィルスが広まったことで、致死率の高さが見られた旧タイプのウィルスが減り、致死率が全体的に下がった可能性が指摘されています。」
さあ、あなたはこの意見をどう見る?
次回へ・・・。